「うちの子、理数系が得意だけど、普通の高校から大学受験を目指すのが正解なのかな?」
「15歳から本物の技術を身につけさせて、将来どこへ行っても必要とされる力をつけてほしい。」
福岡県南部や熊本県北部で、そんな思いを抱える保護者の方が一度は検討するのが有明高専(有明工業高等専門学校)です。
偏差値は63と、地域の公立上位校と同水準に位置します。
しかし有明高専の魅力は、単なる「偏差値の高さ」にはとどまりません。
1963年(昭和38年)に開校し、60年以上の歴史の中で約9,400名の卒業生を社会に送り出してきました。
2025年には半導体の「設計」教育で全国の高専をリードするサーキットデザイン教育センター(CDEC)が設置され、いま注目度が高まっている高専です。
そして入試の最大の特徴は、定員の6割・120名という大きな推薦枠。
日々の内申点をコツコツ積み上げてきたお子さんほど有利になる、「内申重視型」の入試です。
この記事では、元高専職員・半導体業界経験者の視点から、2027年度(令和9年度)入試を目指すご家庭に必要な情報を、公式の募集要項ベースですべて解説します。
この記事でわかること
- 有明高専の偏差値・倍率(公式5年分データ)
- 創造工学科「2年後期から選ぶ6コース」の仕組み
- 推薦の内申基準「9教科72以上」と770点満点の学力選抜
- 半導体設計教育の全国拠点・CDECとは
- JASM(TSMC熊本)など主要企業への就職実績と国立大学への編入ルート
- 学生寮の費用・生活・サポート体制
- 合格に向けた塾・オンライン学習サービスの選び方
この記事を読む前に:
「有明高専に合うか相談したい」「高専受験に向けた塾選びを失敗したくない」――そんな保護者の方へ、無料相談や無料体験ができる選択肢をまとめています。
保護者向け・5分で読める記事です
- 有明高専とは?基本情報まとめ
- 偏差値・倍率:公式データで見る有明高専の立ち位置
- 学科・コース紹介:創造工学科「2年後期から選ぶ6コース」
- 有明高専ならではの強み・特色
- 入試制度の詳細:合否を分ける選抜方法(令和9年度)
- 【要注意】有明高専の「770点満点」入試ルールを味方につける
- 【保存版】わが子の合格可能性は?有明高専の合格シミュレーション
- 合格に向けて:今すぐ始める2つの準備
- 就職・進学実績:有明高専の進路力
- 大学編入:九州大学・熊本大学への共通テストなしルート
- 学生寮のリアル:費用・生活・サポート
- 保護者が安心できるサポート体制
- よくある質問(Q&A)
- X投稿から有明高専を知る
- まとめ:わが子の「理系の好き」を最強の武器に変える15歳の選択
有明高専とは?基本情報まとめ
まず「高専って何?」という方のために、簡単に説明します。
高専(高等専門学校)は、中学卒業後に入学できる5年制の学校です。
普通の高校と違い、15歳から工学の専門教育が始まり、卒業時には大学の工学部に近いレベルの技術力が身につきます。
卒業後は就職・大学編入・専攻科進学など、複数の道から選べるのが大きな特徴です。
有明高専の基本情報を表にまとめました。
| 正式名称 | 有明工業高等専門学校(国立) |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県大牟田市東萩尾町150 |
| 設立 | 1963年(昭和38年) |
| 学科 | 創造工学科(1学科・定員200名)※2年後期から2系6コースに分属 |
| 偏差値 | 63※目安 |
| 就職率 | 就職希望者の就職率 毎年100% |
| 学生寮 | 男子168名・女子84名が入寮(令和8年4月現在) |
| 専攻科 | 2年制・修了で大学と同じ「学士」取得可 |
| 特色 | 半導体設計教育の全国拠点「CDEC」を設置(2025年4月) |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(学校案内含む)・みんなの高校情報(偏差値※目安)
アクセスは、JR・西鉄の大牟田駅からバス等で通える立地。
福岡県南部だけでなく、県境を越えた熊本県北部(荒尾・玉名エリア)からの通学者も多い、地域の理系進学の受け皿です。
偏差値・倍率:公式データで見る有明高専の立ち位置
このセクションのポイント
偏差値は63。
倍率は公式発表で1.4〜1.5倍と安定しています。
偏差値(2027年度入学対象)
| 学科 | 偏差値 |
|---|---|
| 創造工学科 | 63 |
出典:みんなの高校情報(2026年度情報)※目安
※偏差値はあくまでも目安です。高専入試は配点や受験科目が公立高校入試と異なるため、一般的な偏差値指標とは単純に比較できません。情報サイトによって数値には幅があります。
有明高専の偏差値63は、地域の公立上位校と同水準です。
しかし就職・編入という「出口の強さ」が、公立高校とは大きく異なります。
入試倍率(公式発表・5年分)
有明高専は、倍率を公式サイトで公表しています。
| 年度 | 定員 | 志願者 | 倍率 | 合格者 | うち推薦志願者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 200名 | 282名 | 1.4倍 | 207名 | 155名 |
| 令和7年度 | 200名 | 302名 | 1.5倍 | 207名 | 172名 |
| 令和6年度 | 200名 | 299名 | 1.5倍 | 208名 | 167名 |
| 令和5年度 | 200名 | 286名 | 1.4倍 | 208名 | 134名 |
| 令和4年度 | 200名 | 308名 | 1.5倍 | 210名 | 158名 |
出典:有明高専公式サイト「入試倍率等」(2026年8月確認)
倍率は1.4〜1.5倍で安定しています。
注目したいのは推薦志願者の多さ。
令和8年度は推薦枠120名程度に対して155名が推薦で志願しており、「まず推薦で挑む」のが有明高専受験の主流です。
元高専職員のひとこと
倍率1.4〜1.5倍という数字は、高専としては標準的な水準です。
ただし有明の場合、後述のとおり合否の6割が「推薦」で決まります。
倍率の数字よりも、内申をどれだけ積めているかが実質的な勝負どころですよ。
有明高専の受験を考え始めたら、対策は早いほど有利です。
何から始めればいいかわからない段階でも、高専入試に詳しい塾・サービスなら一緒に計画を立ててもらえます。
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保護者向け・5分で読める比較記事です
学科・コース紹介:創造工学科「2年後期から選ぶ6コース」
このセクションのポイント
入学時は全員が「創造工学科」。
1年半の共通教育を経て、2年生の後期から6つのコースに分かれます。

有明高専の学科は創造工学科の1つだけ。
「え、選べないの?」と思うかもしれませんが、実はここが有明高専の大きな魅力です。
入学後の1年半はまず共通教育で工学の基礎を幅広く学び、2年生の後期から次の2系6コースに分かれます。
| 系 | コース | 学べること |
|---|---|---|
| 環境・エネルギー工学系 | エネルギーコース | 電気回路・電力・エネルギー変換など電気系工学 |
| 応用化学コース | 有機・無機化学、材料化学、化学工学 | |
| 環境生命コース | 生物工学・環境工学・食糧問題へのアプローチ | |
| 人間・福祉工学系 | メカニクスコース | 機械工学+福祉工学・メカトロニクス |
| 情報システムコース | プログラミング・情報システム・半導体工学 | |
| 建築コース | 建築計画・構造・デザイン(高専では希少な建築系) |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(学校案内・教育課程)
15歳の時点で「機械か、電気か、化学か」を決めるのは、正直難しいもの。
有明高専なら実際に工学の基礎に触れてから専門を選べるので、「入ってからやりたいことが変わった」というミスマッチを減らせます。
お子さんの進路がまだ固まっていないご家庭にこそ、フィットする仕組みです。
元高専職員のひとこと
このような「くくり募集→後からコース選択」は、大学でも増えている今どきの方式です。
なお建築コースがあるのは九州の国立高専では貴重で、建築士を目指すルートとしても注目です。
コース分属の細かい条件(希望の通り方など)は、説明会や学校見学で直接確認しておくと安心ですよ。
有明高専ならではの強み・特色
半導体「設計」教育の全国拠点・CDEC
いま有明高専が全国から注目される理由が、2025年4月1日に設置されたサーキットデザイン教育センター(CDEC・シーデック)です。
半導体(スマホや車に欠かせない電子部品)の人材育成は国を挙げたテーマですが、その中でCDECが担うのは「設計」分野。
有明高専は国立高専の半導体人材育成事業(COMPASS5.0)で設計人材育成の拠点校に位置づけられ、培ってきた集積回路設計教育のノウハウを全国51高専に展開する役割を担っています。
東京大学の半導体設計拠点「d.lab」との連携や、小中学生向けのメタバース教材開発など、活動は学外にも広がっています。
つまり、半導体設計を学ぶ環境としては「全国の高専のお手本」側にいる学校ということ。
九州で進む半導体産業の集積(熊本のTSMC進出など)を考えると、この環境で学べる価値は今後さらに高まりそうです。
出典:有明高専公式サイト「サーキットデザイン教育センター(CDEC)概要」・国立高等専門学校機構プレスリリース(2025年)
国の半導体人材育成事業と高専の関係は、こちらの記事で詳しく解説しています。

「進取創造」――60年の伝統と新校長のビジョン
有明高専は昭和38年開校。
校訓「進取創造・和神養素・友愛協調」のもと、約9,400名の卒業生を九州のものづくり産業に送り出してきました。
2026年4月には大塚弘文校長が着任し、新体制がスタートしています。
「学生諸君には、教育理念や教育目標に示している”社会が求める人財の意義”を深く理解し、自身の専門技術・知識の基盤を構築しつつ”創造性・多様性・学際性・国際性”の錬磨に努め、様々な社会課題の解決に寄与すべく自主・自律の姿勢をもって精励されることを願っています。」
有明高専 校長 大塚弘文氏(出典:有明高専公式サイト「校長挨拶」・2026年8月確認)
元高専職員のひとこと
「自主・自律」は高専教育に共通するキーワードです。
時間割も生活も自分で組み立てる場面が増えるので、自分から動ける子には最高の環境。
一方で受け身のタイプの子は最初に少し苦労するかもしれません。学校見学でお子さんとの相性を確かめてみてください。
入試制度の詳細:合否を分ける選抜方法(令和9年度)
このセクションのポイント
推薦枠は定員の6割・120名程度と大きめ。
推薦の出願基準は「中2+中3の9教科評定合計72以上」です。
令和9年度(2027年度)入試の日程は次の通りです。
| 選抜 | Web出願エントリー | 検査日 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 推薦選抜 | 2026年12月1日〜12月17日 | 面接:2027年1月9日(土) | 内定発表:1月15日 |
| 学力選抜 | 2027年1月4日〜1月21日 | 学力検査:2027年2月14日(日) | 合格者発表:2月24日 |
| 帰国生徒等特別選抜 | 2027年1月4日〜1月21日 | 学力検査:2027年2月14日(日) |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(入学者選抜日程)
推薦による選抜(募集は定員の6割・120名程度)
有明高専の推薦枠は120名程度=定員200名の6割。
高専の推薦枠は5割程度の学校が多いなか、6割は全国的にも大きい部類で、「推薦こそ本命ルート」と言える設計です。
出願には条件があります。
中学2年と3年(又はそれに該当する学年)の5段階評定(絶対評価)による9教科の学習成績の合計が72以上であることです。
2学年×9教科=18個の評定で72以上ですから、平均4.0がライン。
オール4なら72ちょうどで届く計算ですが、余裕を持つなら「4を基本に5をいくつか」の成績を、中2のうちから積み上げておきたいところです。
選抜は学力検査なしで、120点満点で行われます。
| 項目 | 配点 | 内容 |
|---|---|---|
| 調査書(内申) | 90点 | 中2+中3の9教科評定合計(90点満点)をそのまま点数化 |
| 面接 | 30点 | 個人面接・1人15分程度(2027年1月9日) |
| 合計 | 120点 |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(推薦選抜・選抜の方法)
内申90点+面接30点というシンプルな構成で、内申の比重は75%。
面接は推薦書を使いながら行われる個人面接なので、「なぜ有明高専か」「何を学びたいか」を自分の言葉で話せる準備が大切です。
学力検査による選抜
学力選抜は770点満点=学力検査500点+調査書270点です。
検査は5教科・全教科マークシート方式。詳しい配点構造は次のセクションで解説します。
会場は有明高専のほか、全国の国立高専などで受験できる「最寄り地等受験制度」も使えます。
受験生・保護者が特に知っておくべきポイント
推薦の内定発表は1月15日、学力選抜のWeb出願は1月21日まで。
つまり、推薦の結果を見てから学力選抜に出願し直すことが日程上可能です。
推薦基準に届いているなら、推薦→学力の二段構えで挑戦するのが王道になります。
(手続きの詳細は必ず募集要項と学校でご確認ください。)
入試の仕組みがわかったら、次は具体的な対策です。
高専入試に対応した塾・サービスをまとめた記事はこちらです。

【要注意】有明高専の「770点満点」入試ルールを味方につける
このセクションのポイント
5教科は各100点の均等配点(傾斜なし)。
調査書は270点=中2+中3の9教科合計×3倍で、配点の35%を占めます。
当日点と内申点の構造
| 項目 | 配点 | 内容 |
|---|---|---|
| 理科 | 100点 | 全教科マークシート方式・傾斜なしの均等配点 |
| 英語 | 100点 | |
| 数学 | 100点 | |
| 国語 | 100点 | |
| 社会 | 100点 | |
| 調査書 | 270点 | 中2+中3の9教科評定合計(90点満点)×3倍 |
| 合計 | 770点 |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(学力選抜の方法・配点)
ここから読み取れる有明高専の入試の性格は、はっきりしています。
まず、数学・理科への傾斜配点がありません。
数理が飛び抜けて得意な子が一発逆転しやすい傾斜型の高専(数理1.5〜2倍)とは違い、5教科をバランスよく取れる子が有利です。
そして調査書が270点=全体の35%。
内申の評定1つ(×3倍=3点)は、当日の試験の3点分と同じ重みです。
しかも推薦と同じく中2の成績から使われるため、「中3から本気を出す」では取り返しにくい構造になっています。
内申点の比率と有効な中学年次(まとめ)
- 推薦:中2+中3の9教科(出願基準72以上・配点の75%が内申)
- 学力:中2+中3の9教科×3倍(配点の35%が内申・傾斜なし)
推薦でも学力でも、「中2からの9教科の内申」が合否の土台。
主要5教科だけでなく、技術家庭や保健体育などの実技系4教科も同じ重みで効くのが、有明高専対策の要点です。
当日の学力検査は全国の国立高専共通の問題です。
マークシート対策には、実物を購入して比較した過去問レビュー記事が役立ちます。

【保存版】わが子の合格可能性は?有明高専の合格シミュレーション
内申の状況別に、推薦・学力それぞれの戦い方を整理しました。
合格ラインは非公表のため、公式の配点・出願基準をもとにした目安として活用してください。
| 内申の状況(9教科・中2+中3合計/180点満点中) | ねらえるルート | アドバイス |
|---|---|---|
| 80以上(平均4.4〜) | 推薦が本命 | 調査書90点の差は小さくないため有利。面接(30点)対策で仕上げ、万一に備えて学力対策も並行 |
| 72〜79(基準クリア・平均4.0〜4.3) | 推薦+学力の二段構え | 推薦に出願しつつ、学力を本番と考えて5教科を仕上げる。内申270点分の弱さは当日500点で挽回可能 |
| 65〜71(基準まであと少し) | 学力選抜 | 中3の成績次第で72に届けば推薦も。届かなくても学力は当日500点分が主戦場。5教科を均等に固める |
| 64以下 | 学力選抜で当日点勝負 | 内申は35%なので挽回余地あり。ただし傾斜がないぶん、苦手科目を作らないバランス型の対策が必須 |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項の配点・出願基準をもとに作成 ※合格ラインは非公表のため目安です
合格に向けて:今すぐ始める2つの準備
ここまで見てきた有明高専の入試には、対策の2本柱があります。
1つめは、9教科の内申を中2から積み上げること。
推薦(内申75%)でも学力(内申35%)でも、日々の定期テストと提出物がそのまま得点になります。
実技4教科も手を抜かないことが、有明高専対策では特に重要です。
2つめは、5教科バランス型の当日点対策。
傾斜がないので、苦手科目が1つあるだけで確実に響きます。
マークシート形式・高専共通問題への慣れも必要です。
中学3年生からでも間に合いますが、何から始めるか迷ったら、まずは無料で試せるサービスから比較してみましょう。
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保護者向け・5分で読める比較記事です
内申の土台になる定期テスト対策には、自宅で5教科を基礎から学べるスタディサプリが定番です。
高専受験での使い方は、120人アンケートをもとにしたこちらの記事で詳しく解説しています。

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就職・進学実績:有明高専の進路力
このセクションのポイント
就職希望者の就職率は毎年100%。
就職先にはJASM(TSMC熊本)など九州半導体クラスターの企業名が並びます。
有明高専の就職の強さは、公式資料の一文に表れています。
「例年数多くの会社から求人があり、就職希望者の就職率は毎年100%です」(令和9年度学生募集要項より)。
過去3年の主な就職先を、コース別にピックアップしました。
| コース | 主な就職先(過去3年) |
|---|---|
| エネルギー | 九州電力・関西電力・J-POWER・京セラ(鹿児島川内工場)・東京エレクトロン・ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング・日立ハイテク九州・三菱重工業 |
| 応用化学・環境生命 | 旭化成・花王・資生堂・三井化学・三菱ケミカル・ルネサスエレクトロニクス・キリンビール・サントリー |
| メカニクス | 川崎重工業・キヤノン・ダイキン工業・SUBARUテクノ・デンソーテクノ・日産自動車九州・半導体エネルギー研究所 |
| 情報システム | JASM(TSMC熊本の製造子会社)・NTTデータ・NTT西日本・ソフトバンク・京セラ・福岡銀行・佐賀銀行 |
| 建築 | 大林組・鹿島建設・清水建設・竹中工務店・三井住友建設・LIXIL・北九州市役所 |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項「過去3年間の卒業生の主な就職先」
目を引くのは、JASM・ソニーセミコンダクタ・京セラ・東京エレクトロン・ルネサスといった半導体関連企業の名前です。
熊本のTSMC進出で九州の半導体産業は活気づいており、大牟田はその熊本に隣接する立地。
CDECで設計を学び、九州半導体クラスターへ就職する——という流れが、実績として既にできあがっています。
元高専職員のひとこと
就職先リストに地元九州の企業と全国区の大手がバランスよく並んでいるのが有明の特徴です。
「地元で働きたい」も「全国区の大手へ」も選べる出口の広さは、保護者にとって安心材料だと思います。
大学編入:九州大学・熊本大学への共通テストなしルート
高専卒業生には、共通テストなしで国立大学の3年次に編入するという、普通高校にはないルートがあります。
有明高専の直近5年間(令和3〜7年度)の主な進学実績です。
| 進学先 | 人数(令和3〜7年度の5年間合計) |
|---|---|
| 九州大学 | 12名(令和7年度は5名) |
| 熊本大学 | 32名(令和7年度は9名) |
| 九州工業大学 | 20名 |
| 佐賀大学 | 9名 |
| 鹿児島大学 | 5名(毎年1名) |
| 東京農工大学 | 4名 |
| 筑波大学・埼玉大学・千葉大学・東京科学大学など | 各1名 |
| 豊橋技術科学大学 | 32名 |
| 長岡技術科学大学 | 8名 |
| 有明高専専攻科 | 125名(年17〜31名) |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項「卒業生の主な進学先」※5年間の合計人数で集計
地元の熊本大学へ5年で32名、九州大学へ12名。
高専生の編入先として定番の豊橋技術科学大学(32名)・長岡技術科学大学(8名)への太いパイプもあります。
専攻科(2年制)に進めば、有明高専にいながら大学卒業と同じ「学士」を取得することもできます。
元高専職員のひとこと
編入試験は大学ごとに日程が違うため、実力次第で複数の国立大に挑戦できます。
「中学時代の1回勝負」の高校受験と違い、5年間の頑張り次第で出口がどんどん広がるのが高専の面白さです。
学生寮のリアル:費用・生活・サポート
このセクションのポイント
男子168名・女子84名が寮生活(令和8年4月現在)。
月の負担は食費込みで約54,000円が目安です。
自宅から通えない地域のご家庭には、キャンパス内の学生寮があります。
令和8年4月現在で男子168名・女子84名が入寮しており、女子の寮生も多いのが特徴です。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 寮費(食費込み) | 約53,000円 |
| 寄宿料 | 800円 |
| 合計の目安 | 約53,800円 |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(寮について)※金額は改定される場合があります
15歳での親元離れには、生活面の心配がつきものです。
高専の寮には寮務担当の教員による指導体制があり、同じ目標を持つ仲間との共同生活は「一気に自立した」と語られる高専の定番エピソードでもあります。
生活指導の体制や部屋のタイプなど、気になる点は学校見学(随時受付)で直接確認するのがおすすめです。
保護者が安心できるサポート体制
学習支援
1年生は共通教育からスタートするため、中学からの接続もなだらか。
担任教員による学習・生活のフォローに加え、コース分属前に自分の適性をじっくり見極められます。
メンタルヘルス・健康支援
学生相談の体制が整えられており、思春期の悩みや人間関係の相談に対応しています。
入試でも障害等を理由とした合理的配慮の申請制度があり、多様な学生を受け入れる姿勢が明確です。
経済的支援(学費・奨学金)
気になる学費は、国の支援制度でかなり軽くなります。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 検定料 | 16,500円 | 別途Web出願手数料(440〜514円予定) |
| 入学料 | 84,600円 | 免除・徴収猶予の制度あり |
| 授業料 | 年額234,600円 | 1〜3年生は就学支援金(年額234,600円)が支給され実質無償(令和8年度から所得制限なし) |
| 4・5年生/専攻科 | ― | 高等教育の修学支援制度(授業料減免+給付型奨学金・多子世帯の特例あり) |
| その他初年度 | 教科書・教材・体操服等 約100,000円/学生会・後援会・同窓会の入会金等 約29,000円ほか |
出典:令和9年度有明高専学生募集要項(経費等)・文部科学省「高等学校等就学支援金」制度資料
1〜3年生の授業料は、令和8年度から実施されている新制度により保護者の所得にかかわらず就学支援金(年額234,600円)が充当され、実質無償です。
「国立の学費+就学支援金+出口の強さ」まで含めて考えると、私立高校+大学受験のルートと比べた経済的なメリットは非常に大きくなります。
日本学生支援機構の奨学金も利用できます。
よくある質問(Q&A)
Q1:推薦の内申基準「9教科72」に届いていません。あきらめるべき?
あきらめる必要はありません。
学力選抜は770点満点のうち当日の5教科が500点(65%)を占めます。
内申のビハインドは当日点で十分挽回できますし、中3の成績次第で基準に届けば推薦にも出願できます。
なお内申は中2から使われるので、弟さん妹さんがいる場合は早めに知っておくと有利です。
Q2:コースは希望どおりに選べますか?いつ決まるのですか?
コース分属は2年生の後期からで、1年半の共通教育で工学の基礎に触れてから選びます。
入学時点で専門を決めなくていいのが有明高専の良さです。
希望の通り方などの分属条件は年度によって扱いが変わる可能性があるため、説明会や学校見学で最新の運用を直接確認することをおすすめします。
Q3:女子でも有明高専はおすすめできますか?
はい。令和8年4月現在で女子84名が寮生活を送っており、女子学生の受け入れ体制が整っています。
応用化学・環境生命・建築など女子に人気のコースも揃っていて、リケジョの進路として現実的な選択肢です。
Q4:同じ福岡県の久留米高専とはどう違うのですか?
どちらも国立高専ですが、学科の仕組みが対照的です。
久留米高専は出願時に学科を選ぶ方式、有明高専は入学後にコースを選ぶ方式。
「やりたい分野が決まっている子は久留米型、まだ迷っている子は有明型」という視点で比べると、わが子に合う学校が見えてきます。
通学圏で選べるご家庭は、両方の説明会に足を運んでみてください。
Q5:説明会やオープンキャンパスはいつありますか?
2026年度は10月〜12月上旬に「校内ショートツアー」(学校概要説明+校内見学・1回最大10組)が予定されています。
また、入試相談・学校見学は随時受付です(学生課教務係)。
日程・申込方法は変更される場合があるので、必ず公式サイトでご確認ください。
久留米高専が気になった方は、こちらの記事もどうぞ。

X投稿から有明高専を知る

まとめ:わが子の「理系の好き」を最強の武器に変える15歳の選択
有明高専は、福岡県大牟田市にある国立高専です。
偏差値は63と地域の公立上位校と同水準。
それでいて、就職希望者の就職率100%、九州大学・熊本大学への編入ルート、そしてJASMをはじめとする九州半導体クラスターへの就職実績という、公立高校にはない「出口の強さ」を持っています。
入試のポイントは3つ。
推薦枠が定員の6割・120名――「推薦こそ本命」の設計であること。
推薦の基準は中2+中3の9教科合計72以上――内申は中2から、9教科すべてが効くこと。
そして学力選抜も内申35%+傾斜なしの均等配点――コツコツ型のお子さんが報われる入試であること。
2年後期からのコース選択、そして半導体設計教育の全国拠点CDEC。
「まだ専門は決まっていないけれど、理系の好きを伸ばしたい」というお子さんに、これほど合う高専はなかなかありません。
気になったら、まずは随時受付の学校見学や秋の校内ショートツアーで、キャンパスの空気を親子で確かめてみてください。
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※本記事の情報は2026年8月時点のものです。入試制度・日程・費用は変更される場合があります。出願の際は必ず有明高専公式サイトおよび最新の学生募集要項をご確認ください。

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