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神山まるごと高専(偏差値63)の全貌|学費実質無料・全寮制・起業家高専の入試対策から寮生活まで元高専職員が解説【2027年最新版】

高専
 

うちの子、ほかの子と同じように、普通の高校から大学受験を目指すのが正解なのかな?

 

就職進学だけでなく、起業もできるような技術やマインドを身につけて、将来どこへ行っても必要とされる力をつけてほしい。

徳島県、そして全国でそんな思いを抱える保護者の方が注目するのが、神山まるごと高専です。

偏差値は63(目安)。

しかし神山まるごと高専の魅力は、偏差値の数字だけでは語れません。

2023年に設立された日本で最も新しい高専のひとつで、学費は実質無料、全寮制、そして「起業家を育てる高専」として全国から注目を集めています。

2026年度入試の志願倍率は11.1倍(実質倍率5倍)。

全国から491名が志願した、競争率の高い高専です。

国立51高専とは異なる「私立・全寮制・スポンサー企業型」という全く新しいモデルで、保護者の方が最初に感じる「これって普通の高専と何が違うの?」という疑問に、この記事でしっかりお答えします。

この記事では、元高専職員・半導体業界経験者の視点から、2027年度入試を目指すご家庭が必要な情報をすべて解説します。

この記事でわかること

  • 神山まるごと高専の偏差値・倍率(2027年度最新)
  • デザインエンジニアリング学科の特徴と将来の道
  • A・B・C方式の入試の合否を分けるポイント
  • 学費実質無料の仕組みとスポンサー企業制度
  • 全寮制の生活・費用・サポート体制
  • 合格に向けた塾・オンライン学習サービスの選び方
やまもとけんと

大学・高専教育 × 就職支援。
大学や高専で15年間教育運営に携わり、その後は半導体業界で3年以上の実務経験を積んできました。教育と産業の両方を知る立場から、中高生や保護者のみなさんに「進学と就職を通じて明るい未来をつくる」ために役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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    1. この記事でわかること
  1. 神山まるごと高専とは?基本情報まとめ
  2. 偏差値・倍率:全国から受験者が集まる人気高専
    1. 偏差値(2027年度入学対象)
    2. 入試倍率(2026年度)
  3. 学科紹介:デザインエンジニアリング学科で学べること
  4. 神山まるごと高専ならではの強み・特色
    1. 学費実質無料の仕組み
    2. 全寮制
    3. 企業スポンサーとの深い連携
      1. スカラシップ(学費補助)と企業活動の関係 ― 学年による違い
    4. 起業家育成・FRCロボット競技
      1. FRC経験が高専生向け起業コンテストにも活かされている
  5. 入試制度の詳細:A・B・C方式の合否を分けるポイント
    1. すべての方式に共通する「一次→二次」の2段階選抜
    2. 二次試験①ワークショップ選考の正体(全方式共通・100点)
      1. 2026年度の課題実例
      2. ワークショップ選考の評価軸(公式・5項目)
    3. 二次試験②グループ面接の正体(全方式共通・100点)
      1. グループ面接の評価内容(公式)
      2. アドミッションポリシー「5つの力」
    4. A方式(学力検査型・総合評価)
    5. B方式(モノづくり力評価型)
    6. C方式(学習意欲重視型)
      1. パターン①:C方式 新規受験(A/B一次試験不合格者・未受験者)
      2. パターン②:再チャレンジ制度(A/B方式 一次試験合格者のみ)
      3. 個別課題の3カテゴリ(実例4種類)
    7. 数検優遇制度(A・B・C方式 共通)
  6. 【要注意】神山まるごと高専の入試ルールを味方につける
    1. 方式別の難易度と戦略
    2. A方式の得点戦略
    3. B方式の準備ポイント
    4. C方式の準備ポイント
      1. パターン①:新規受験者の対策
      2. パターン②:再チャレンジ受験者の対策
      3. 共通:合格発表は1月15日と遅め
  7. 【保存版】合格可能性シミュレーション(A方式)
  8. 合格に向けて:今すぐ始める2つの準備
    1. 二次試験対策:日常からのモノづくり体験の積み重ね(最重要)
      1. 家庭で積み重ねる体験
      2. 家庭外で積み重ねる体験
  9. 卒業後の進路:就職・大学編入・起業
  10. 【2026年最新】1期生が4年生に進級 ― ROOMS・BASE・実践型授業の全貌
    1. 新寮ROOMS(ルームズ)― 日亜化学工業10億円寄付で生まれた「4・5年生の城」
    2. 工作施設の進化 ― 開校当初は「木材加工しかできなかった」状態から CNC・3Dプリンター時代へ
    3. コワーキングスペースBASE(ベイス)― 起業の「ホットスポット」
    4. 1期生4年生の学び激変 ― 座学から「社会との接続」へ
      1. インターンシップが単位化(正規授業)
      2. ゼミ制度のスタート
      3. 体育も神山ならでは ― ボルダリング授業
    5. 神山町ごと変化する「学びのエコシステム」
      1. 古民家改修のボルダリング施設
      2. 学生・スタッフが運営するカフェ
      3. 若者の居場所「バンビ」
    6. 学生のリアルな声 ― 自由の喜びと、向き合うべき大変さ
    7. 在校生のリアル ― 全国から集まる多様な背景・3年生で法人設立済の学生も
      1. 全国から集まる学生たち
      2. 3年生で法人設立済の学生が実在
      3. 複数のコンテスト・プログラムに同時並行で挑戦
  11. 学生寮のリアル:費用・生活・サポート
  12. 保護者が安心できるサポート体制
    1. 学習支援
    2. メンタルヘルス・健康支援
    3. 経済的支援(学費・奨学金)
  13. よくある質問(Q&A)
    1. 神山まるごと高専は国立51高専と何が違うんですか?
    2. 徳島から遠い地域に住んでいますが、入学できますか?
    3. 卒業実績がないのが不安です。本当に就職・進学できますか?
    4. どの入試方式を選べばいいですか?
    5. 神山まるごと高専のオープンキャンパスはありますか?
  14. まとめ:わが子の「理系の好き」と「起業したい」を最強の武器に変える15歳の選択

神山まるごと高専とは?基本情報まとめ

まず「高専とは何か」を簡単に説明します。

高専(高等専門学校)とは、中学卒業後の15歳から入学できる5年制の専門教育機関です。

普通の高校3年間+大学2年間と同じ年数で、より実践的な技術を身につけられるのが特徴です。

神山まるごと高専は、その中でも2023年に新設された私立高専

国が運営する国立51高専とは異なる「企業スポンサー型」の完全新しい仕組みで運営されています。

項目内容
正式名称神山まるごと高専(学校法人神山まるごと高専)
所在地徳島県名西郡神山町(人口約5,000人の山間の町)
設立年2023年(19年ぶりの新設高専)
設置形態私立(国立51高専とは別)
学科デザインエンジニアリング学科(1学科・1コース)
定員40名/年
修業年限5年制
全寮制(必須)
学費年間200万円(実質無償継続)
偏差値63(目安)
出典:神山まるごと高専公式サイト(2026年度情報)

偏差値・倍率:全国から受験者が集まる人気高専

偏差値(2027年度入学対象)

※偏差値はあくまでも目安です。神山まるごと高専の入試はA・B・C方式で構成されており、一般的な偏差値指標と単純に比較できません。

偏差値備考
63私立高専・全国対象の試験
出典:みんなの学校情報(目安)

偏差値63は、地域のトップ公立高校と同水準です。ただし、神山まるごと高専の入試は「学力だけで決まらない」方式も用意されています。自分の強みに合った方式を選ぶことが、合格への近道です。

入試倍率(2026年度)

区分数値
志願者数491名
受験者数219名
合格者数44名
志願倍率11.1倍
実質倍率5.0倍
出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果(https://kamiyama.ac.jp/admission/2026/result/

志願倍率11.1倍は非常に高い水準です。

「徳島の山の中にある高専」でありながら、全国から受験者が集まる理由は、後述する「学費実質無料」「全寮制」「起業家育成」という独自の魅力にあります。

(出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果)

学科紹介:デザインエンジニアリング学科で学べること

神山まるごと高専には学科が1つだけあります。

それが「デザインエンジニアリング学科」です。

「デザイン」と「エンジニアリング」を組み合わせた名前の通り、技術力だけでなく、「何を作るべきか」を考える力(デザイン思考)と、「実際に作り切る力(エンジニアリング)」を同時に育てることを目標としています。

主な学習内容:

  • ソフトウェアエンジニアリング(プログラミング・AI・データサイエンス)
  • ハードウェア・エレクトロニクス
  • デザイン思考・プロトタイピング
  • ビジネス・起業・社会実装
  • 英語・グローバルコミュニケーション

「私たちが心から欲しいと思った高専を作るということで、20年ぶりに新設した高専です。物を作る力を最後の実装まで持っていく――『物力で事を起こす』を掲げています。」

出典:神山まるごと高専 五十棲浩二校長コメント(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 /2026年3月1日・名古屋)
やまもと
やまもと

「物力で事を起こす」――このキーワードが神山まるごと高専の哲学を一言で表しています。

技術を学ぶだけでなく、社会に実装するところまで責任を持つ。この姿勢が、起業家や社会変革者を育てる原動力になっています。

神山まるごと高専ならではの強み・特色

学費実質無料の仕組み

神山まるごと高専の年間学費は200万円です。

一見高く見えますが、スポンサー企業からの奨学金により、現在は実質無償で通学できます。

この仕組みは、日本のIT・テクノロジー企業がスポンサーとして学校を支援し、学生の学費を肩代わりする形です。

※スポンサー企業による学費支援は継続中ですが、将来の変更可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

費用項目金額備考
年間学費200万円スポンサー奨学金で実質無償
年間寮費120万円(税込)食費・光熱費含む ※改定の可能性あり
月換算寮費約10万円目安
出典:神山まるごと高専公式サイト(寮費改定情報) ※物価等を踏まえ改定の可能性あり
 

学費が無料なのはわかったけど、寮費の月10万円は家計にとって大きいですよね……?

やまもと
やまもと

おっしゃる通りです。

寮費月10万円は、国立高専の寮費(月4〜6万円程度)と比べると高めです。

ぜひ、旧神山中学校をリノベーションして作られた寮を紹介動画で確認してみてください。

国立高専の寮が、作られてから時間が経っていることから、古くて暗いものが多いなか、とても明るい寮なのが印象的です。

全寮制

神山まるごと高専は全員が寮で生活します(全寮制)。

徳島県・山間の人口5,000人の町での全寮制生活は、都市部の生活とは全く異なります。

しかし、学生の出身地は徳島が約1割、全国各地から約9割(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 五十棲浩二校長コメント)という多様性が生まれています。

(※神山まるごと高専 五十棲浩二校長コメント(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 /2026年3月1日・名古屋)に基づきます

企業スポンサーとの深い連携

神山まるごと高専には、日本の主要IT・テクノロジー企業が多数スポンサーとして参加しています。

サテライトオフィスを町内に設置するスポンサー企業もあり、在学中から企業のエンジニアと交流する機会があります。

スカラシップ(学費補助)と企業活動の関係 ― 学年による違い

神山まるごと高専の特徴である「スポンサー企業による学費実質無償化」ですが、学費補助そのものと、スポンサー企業との活動の関係には学年ごとの違いがあることがわかっています。

2026年5月時点で在校生から伺った話によれば、現状は以下のような運用になっているとのことです。

  • スカラシップ(学費補助)自体は5年間支給される
  • スポンサー企業との活動(ハウス制度等)は2年生まで
  • 3年生以降は任意の繋がり(メンタリングを希望すれば継続可能)
やまもと
やまもと

1〜2年生でハウス制度(複数の学生とスポンサー企業がペアになる)を通じてスポンサー企業を知り、その後の3年生以降は自分の関心や進路に合わせて柔軟に企業と関わる、という設計になっているようです。

強制的にスポンサー企業との活動が続くわけではなく、学生の主体性を尊重した距離感が保たれているのは、保護者目線でも安心材料です。

起業家育成・FRCロボット競技

神山まるごと高専は起業家育成に力を入れています。

代表的な取り組みが「FRC(FIRST Robotics Competition)」への参加です。

出典:FRC Team Hanabi ホームページより

FRCは米国発の国際ロボット競技で、企業スポンサーと協力しながらロボットを設計・製作・競争させる大会です。

企業・スポンサーとの実践的な協働を通じて、「社会に実装する力」を在学中から身につけます。

FRC経験が高専生向け起業コンテストにも活かされている

神山まるごと高専は、FRC(FIRST Robotics Competition)に3年連続で挑戦中の高専です。これは他の高専では無い特徴です。

2026年5月の高専生向け起業コンテストでは、FRCで身につけたハードウェア開発の知識を、このコンテストでのプロダクト制作に活用しているという神山の学生さんの話を直接聞くことができました。

「国際大会で揉まれた経験」が、別のコンテストや起業活動にも自然と活かされている ― これは神山まるごと高専学生のアクティブさ・横展開力を象徴するエピソードです。

入試制度の詳細:A・B・C方式の合否を分けるポイント

神山まるごと高専の入試はA・B・C方式の3種類があります。

国立高専の「推薦」「学力検査」という2択とは全く異なります。

他の高専や高校等とは全く異なるユニークな学校のため、「神山まるごと高専とのマッチング」が最重要視されます。

まず、3方式の違いを一目で確認できる比較表を以下に示します。

方式募集人員主な評価軸出願受付合格発表
A方式約20名学力検査+課題レポート+志望理由書による総合評価11月1〜10日12月4日
B方式約12名「モノづくり力」に特化+推薦書(学校関係者or外部)11月1〜10日12月4日
C方式約8名(増枠)新規受験:書類審査+学力試験/再チャレンジ:個別課題のみ(A/B 1次合格者のみ)12月1〜10日1月15日
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項

以下では、それぞれの入試方式の詳細を解説します。

すべての方式に共通する「一次→二次」の2段階選抜

3方式の詳細に入る前に、保護者の方が必ず押さえておくべき大原則があります。

神山まるごと高専の入試は、A・B・C方式すべて「一次試験+二次試験」の2段階構造で行われます。

そして、二次試験はワークショップ選考(100点)+グループ面接(100点)の合計200点すべての方式で共通です。

段階評価項目配点方式による違い
一次試験書類審査(志望理由書・課題レポート・推薦書・調査書)方式により異なる方式ごとに項目・配点が異なる
学力試験(数学・国語)A/B方式70点/C方式70点方式ごとに配点異なる
二次試験ワークショップ選考(3時間のグループ課題)100点全方式共通
グループ面接100点全方式共通
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項・入試結果

たとえばA方式の場合、評価項目の合計は400点満点。
そのうち二次試験は200点=全体の50%を占めます。

やまもと
やまもと

ここを誤解している保護者の方が本当に多いです。

「A方式は学力勝負」「B方式は推薦書勝負」というイメージでとらえると、合格までの道のりが見えなくなります

どの方式で受けても、合否の半分は二次試験(ワークショップ+面接)で決まると思っておいてください。

二次試験①ワークショップ選考の正体(全方式共通・100点)

ワークショップ選考は、会場内に用意された材料を使って、グループでモノづくりに取り組む選考方式です。

合計時間は3時間。事前の道具準備は不要で、当日その場で受験生がチームを組み、課題に取り組みます

2026年度の課題実例

方式2026年度の課題
A・B方式ビー玉をできるだけ長い時間をかけて移動させる装置をつくってください」
C方式『〇〇のための遊園地』の模型をチームでつくり、その魅力を5分間の人形劇形式で紹介してください」
出典:神山まるごと高専 2026年度入試結果ページ

どちらも「正解のない課題」です。学校教科の知識や暗記力ではなく、未知の問いに対してグループでどう取り組むかが問われます。

ワークショップ選考の評価軸(公式・5項目)

  • モノづくりへの興味・関心
  • 正解のない課題への取り組み
  • 協働力
  • 思考力
  • 学習力

(出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項・入試結果ページ)

やまもと
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ここで保護者の方に最もお伝えしたいのは、ワークショップは「高校受験の延長」では太刀打ちできないということです。

暗記・反復練習・解法パターンの学習だけでは届きません。

本当に効くのは、日常からの工作・図工・モノづくり経験の積み重ねです。

家庭での経験はもちろんのこと、地域の科学館・近隣大学のオープンキャンパス・研究機関の体験イベント・自治体主催のモノづくりワークショップなどに、小学生・中学生のうちから足を運んでおくと、ここで活きてきます。

二次試験②グループ面接の正体(全方式共通・100点)

もう一つの二次試験がグループ面接です。これもA・B・C方式すべてで実施されます。

グループ面接の評価内容(公式)

  • アドミッションポリシーとのマッチ度
  • 目指す人物像との合致(「モノをつくる力で、コトを起こす人」)
  • 卒業後のキャリアビジョン確認

(出典:神山まるごと高専 2026年度入試結果ページ)

アドミッションポリシー「5つの力」

面接では、神山まるごと高専が掲げる「5つの力」を学生が持っているかが多面的に確認されます。

  1. 初めて出会った問いに挑戦する力
  2. 情報を適切に処理する思考力
  3. 多様な価値観を受け入れ、自分の意見を伝えられる
  4. モノづくりへの興味・関心
  5. 協働力

(出典:神山まるごと高専 アドミッションポリシー)

やまもと
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面接で問われるのは、ただ志望動機をスラスラ話せるかではありません。

「自分が作ったモノについて、自分の言葉で語れるか」が決定的です。

そして、卒業後のキャリアビジョン──「モノづくりで〇〇という社会課題を解決したい」「〇〇の領域で起業してみたい」といった自分の言葉で描ける未来図──も問われます。

中学生のうちに、「自分の作品を人に説明する」「将来やりたいことを言葉にする」習慣を持つことが、ここで効いてきます。

A方式(学力検査型・総合評価)

数学・国語の学力試験を中心に、課題レポート・志望理由書・調査書を含めた総合評価で判定する方式です。

学力試験で安定して得点でき、論理的思考や文章表現で自分の考えを伝えられる受験生に向いています。

評価項目配点2026年度合格者平均点
数学40点29.0点
国語30点19.4点
課題レポート80点
志望理由書30点
調査書20点
二次試験:ワークショップ+面接各100点
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項・入試結果

A方式の合計400点のうち、二次試験は200点=全体の50%です。学力試験で安定得点しても、二次試験のワークショップ・面接対策を欠かすと合格できません。一次の学力試験対策と並行して、日常からのモノづくり経験を積み重ねることが重要です。

B方式(モノづくり力評価型)

2026年度から「モノづくり力に特化し、突出した力を持つ方の可能性に光をあてる」評価基準として位置付けられています(公式アップデート情報より)。

学力以外の強み――作品づくり・プロジェクト経験・突出した個性――を持つ受験生に向いています。

評価項目配点2026年度合格者平均点
数学30点21.5点
国語20点12.5点
課題レポート50点
志望理由書30点
推薦書(最大2通)50点
調査書20点
二次試験:ワークショップ+面接各100点
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項・入試結果

B方式の特徴は推薦書(最大50点)にありますが、二次試験は全方式共通の200点です。推薦書だけで決まる方式ではなく、ワークショップで実際にモノをつくる力が問われます。推薦書で評価される過去の実績に加えて、当日のワークショップで「初めて出会った課題に取り組む姿勢」を発揮できるかが鍵です。

B方式の大きな特徴は推薦書。学校の先生だけでなく、外部の人物(習い事の先生・大人の知り合いなど)からも推薦を受けることができます。最大2通まで提出可能です。

C方式(学習意欲重視型)

中学3年の後半になって本校を知った方や、部活動を続けてきた方が、入試直前から挑戦できる方式です。

2026年度からは募集定員が増枠され、またC方式のみでの新規受験も可能になりました。

公式「2026年度のアップデート情報」より:
C方式は募集定員を増枠し、高い学習意欲を持つ方がより挑戦しやすい環境を整えました。C方式のみでの新規受験を可能にし、部活動等を経て入試直前に本校を志望した方への門戸を広げました。

C方式には2つの受験パターンがあり、評価方法が異なります。順に解説します。

パターン①:C方式 新規受験(A/B一次試験不合格者・未受験者)

A/B方式を受けていない方、またはA/B方式の一次試験で不合格だった方が、新たにC方式で受験する場合のパターンです。

一次試験は書類審査+学力試験を全員が受け、合計200点満点で評価されます。

評価項目配点備考
志望理由書30点ABC共通
調査書30点ABC共通
課題レポート70点内容は11月11日に公式サイトで公開
数学40点オンライン学力試験
国語30点オンライン学力試験
一次合計200点 
二次:ワークショップ100点1月10日(土)
二次:面接100点1月10日(土)
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項

C方式新規受験は一次200点+二次200点で合計400点です。学力試験+課題レポートで一次を突破しても、二次の比重が大きい点はA・B方式と同じです。C方式の課題は「〇〇のための遊園地の模型+人形劇」とA・B方式とは異なるので、対策の方向性も意識してください。

2026年度合格者の数学・国語の平均点は以下の通りです。

科目配点2026年度合格者平均点
数学40点26.1点(65.3%)
国語30点21.2点(70.7%)
出典:神山まるごと高専 2026年度入試結果

パターン②:再チャレンジ制度(A/B方式 一次試験合格者のみ)

A方式またはB方式の一次試験を通過した方のみが対象の制度です。

A方式またはB方式で最終的に不合格となった場合、C方式の一次試験(学力試験)が免除され、学校が指定する個別課題に取り組むことで再挑戦できます。

個別課題の内容は、A/Bでの取り組みを踏まえて学校が決定し、不合格通知時に通知されます。

評価項目配点備考
個別課題200点下記3カテゴリのうち1つを学校が指定
二次:ワークショップ100点1月10日(土)
二次:面接100点1月10日(土)
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項「再チャレンジ制度」

合否判定は個別課題(200点)+ワークショップ(100点)+面接(100点)の総合評価で行われます。学力試験は免除なので、A/Bの学力試験結果は再採点されません。

個別課題の3カテゴリ(実例4種類)

再チャレンジ制度の個別課題(200点)は、要項上は3カテゴリから1つが指定されます。実際の2026年度入試では4種類の課題が出題されました。

カテゴリ2026年度の実例提出形式・期間
動画課題モノづくり動画これまで作ったモノの自信作を90秒以内の動画でPR
自己成長動画本校で得たい成長や入学後に作りたいモノを3分以内の動画で表現
小論文課題志望理由作文得たい成長と将来作りたいモノを1,000文字以内で表現
学力試験再学力試験2025年12月20日(土)のC方式オンライン学力試験を再受験
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項・入試結果ページ「C方式 個別試験」

動画課題・小論文課題の提出期間は12月22日(月)10:00〜1月6日(火)19:00。学力試験が指定された場合は12月20日(土)に再受験します。

 

うちの子はC方式で受験するか、A/Bで受けるか迷っています。違いをわかりやすく教えてください。

やまもと
やまもと

第一志望が固まっていて準備時間がある方はA/B方式が王道です。

A方式は学力試験+課題レポートで総合勝負、B方式はモノづくり力+推薦書で勝負します。

一方、中3秋以降に学校を知った方や部活動で時間が取れなかった方は、C方式新規受験で12月から挑戦できます。

A/Bを受けて1次合格→最終不合格となった方は、再チャレンジ制度で個別課題に取り組めるので、A/Bの努力は無駄になりません。

数検優遇制度(A・B・C方式 共通)

数学検定(数検)の準2級以上を保有している受験生は、A・B・C いずれの方式でも数学の得点換算で優遇される制度を利用できます。

仕組みは、「数学学力試験の実測点」と「数検換算点」を比較し、高い方の得点が採用されるというもの。当日の試験で本来の力を出せなかった場合の「最低保証」として機能します。

保有級数検換算点(A・C方式:数学40点満点)数検換算点(B方式:数学30点満点)採用される得点
準2級40 × 70% = 28点30 × 70% = 21点実測点 と 換算点 の 高い方
2級以上40 × 90% = 36点30 × 90% = 27点
出典:神山まるごと高専 2026年度入学者選抜要項

たとえばA方式(数学40点満点)で2級保有者の場合:

  • 当日の数学試験で30点を取った → 数検換算点36点と比較し、36点が採用される
  • 当日の数学試験で38点を取った → 実測点38点が採用される(換算点36点より高いため)

つまり数検2級を持っていれば、数学は最低でも90%の得点が確保される、というのがこの制度の本質です。

2026年度合格者全体のうち、数検優遇制度を利用したのは22.7%でした。

 

うちの子、A方式で受けようと思っていますが、数検2級を持っていたら有利になりますか?

やまもと
やまもと

はい、A方式でも数検優遇は使えます。

2級保有なら数学40点満点中、最低でも36点(90%)が保証されるため、当日の出来に左右されにくくなります。

ただし利用率は全合格者の22.7%にとどまるので、数検だけに頼らず他の評価項目(課題レポート・志望理由書)の準備も並行して進めるのがおすすめです。

\入試の仕組みがわかったら、つぎは具体的な対策を/

【要注意】神山まるごと高専の入試ルールを味方につける

方式別の難易度と戦略

方式主な評価軸向いている受験生
A方式学力検査+課題レポート+志望理由書の総合評価学力試験が安定して取れる・論理的に書ける
B方式モノづくり力+推薦書(外部の人でも可)作品・プロジェクト経験あり・突出した個性
C方式新規:書類審査+学力試験+ワークショップ・面接(200点満点)/再チャレンジ:個別課題200点+ワークショップ・面接新規:中3後半に志望が固まった・部活動等で時間が取れなかった/再チャレンジ:A/B 1次合格者の再挑戦

A方式の得点戦略

A方式の2026年度合格者平均点は、数学29.0/40点(72.5%)、国語19.4/30点(64.7%)でした。

合格ラインの目安として:

  • 数学:30点以上(75%以上)を目指す
  • 国語:20点以上(67%以上)を目指す
  • 合計:50点以上/70点が一つの目安
  • 数検2級保有なら数学が最低36点(90%)として保証され、当日リスクを大幅に軽減できる

※あくまでも目安です。合格最低点は公表されていません。

B方式の準備ポイント

B方式は「モノづくり力」と「推薦書」が大きなウェイトを占めます。

  • 過去に作ったモノ・挑戦したことをポートフォリオとして整理する
  • 学校の理念「物力で事を起こす」を深く理解する
  • 自分が実現したいプロジェクト・アイデアを具体的に準備する
  • 推薦書は学校の先生だけでなく、外部の大人(習い事の先生・地域の知人など)からも依頼可能。最大2通

C方式の準備ポイント

C方式は2つの受験パターンで対策が異なります。

パターン①:新規受験者の対策

  • 出願受付は12月1〜10日とA/Bより1ヶ月遅いため、中3秋〜冬に志望が固まった方でも間に合う
  • 一次試験(数学・国語)と二次試験(ワークショップ・面接)はA/Bと同じ内容なので、A/B方式と同様の対策で対応可能
  • 課題レポート(70点)はC方式独自で配点も大きい。内容は11月11日に公式サイトで公開されるので、公開後すぐに着手
  • 志望理由書(30点)・調査書(30点)も合計60点と無視できないウェイト。早めに学校・本人で準備

パターン②:再チャレンジ受験者の対策

  • A/B方式で1次試験を通過したが最終不合格だった方が対象。学力試験は免除される
  • 不合格通知時に学校から個別フィードバックと個別課題(200点)が指定される。A/Bの取り組みが無駄にならない設計
  • 個別課題は動画/小論文/学力試験の3カテゴリ。どれを指定されても対応できるよう、「これまで作ったモノの整理」「志望動機の言語化」「学力の維持」を並行して準備
  • 合否は個別課題+ワークショップ+面接の総合評価で決まる

共通:合格発表は1月15日と遅め

C方式の最終合格発表は1月15日(木)。第二志望校(公立高校等)の出願スケジュールと重なる可能性があるため、ご家庭で第二志望のプランも事前に準備しておくことをおすすめします。

【保存版】合格可能性シミュレーション(A方式)

数学(/40点)国語(/30点)合計合格可能性の目安
32点以上22点以上54点以上合格圏内の可能性大
29〜31点19〜21点48〜52点合格者平均付近・要全力準備
25〜28点16〜18点41〜46点合格ラインにやや届かない可能性
24点以下15点以下39点以下早急な学力強化が必要
※2026年度入試結果をもとに作成した目安です。合格最低点は非公表のため、参考値としてお使いください。
※数検優遇制度(A・B・C共通)を活用すれば、数学を準2級なら70%・2級なら90%の得点として加算できます。

合格に向けて:今すぐ始める2つの準備

神山まるごと高専の入試は数学が最重要科目です。

A・C方式ともに数学の配点が40点と高く、合否を大きく左右します。

高専入試に特化した対策を早めに始めることが、合格への最短ルートです。

\ 数学の専門対策が合否を分ける/

二次試験対策:日常からのモノづくり体験の積み重ね(最重要)

二次試験(ワークショップ+面接)は、塾や問題集では対策しづらい部分です。日常生活の中での経験の積み重ねが決定的に効いてきます。

家庭で積み重ねる体験

  • 工作・図工・電子工作キットで「自分の手でつくる」経験を増やす
  • つくったモノを家族に説明する習慣を持つ(面接対策の基礎)
  • 失敗・試行錯誤を歓迎する家庭の雰囲気をつくる
  • なぜそれを作りたかったのか」を子ども自身に言語化させる

家庭外で積み重ねる体験

家庭だけでは触れられない素材・道具・テーマに触れる機会を、外部のリソースで意識的に作りましょう。

  • 都道府県・市町村の科学館のワークショップ(多くは小中学生向けプログラムを定期開催)
  • 近隣大学のオープンキャンパス・公開講座(工学部・情報学部・デザイン系学部)
  • 研究機関の体験イベント(産総研・理研などが各地で実施)
  • 自治体主催のモノづくりイベント(市民工房・FabLab・メイカースペース等)
  • 民間の科学・モノづくり教室(プログラミング教室・ロボット教室・電子工作教室)
やまもと
やまもと

とくに科学館・大学・研究機関のイベントは、無料または低価格で参加できるものが多くあります。

「ワークショップ選考対策のため」と気負わず、子どもが楽しめるイベントを月1〜2回でも継続的に。これが3年積み重なると、二次試験で問われる「未知の課題への向き合い方」が自然に身につきます。

そして、参加した体験を「楽しかった!」で終わらせず、必ず子どもに振り返ってもらうことが大切です。「何が一番面白かった?」「次は何を作ってみたい?」と問いかけるだけで、面接で問われる言語化の力が育ちます。

卒業後の進路:就職・大学編入・起業

神山まるごと高専は2023年設立のため、2026年時点でまだ卒業生はいません。

最初の卒業生が生まれるのは2028年度の予定です。

そのため、就職実績・編入実績は現時点では公表されていません。

ただし、学校の方向性として以下が想定されます:

  • スポンサー企業への就職:設立に関わったIT・テクノロジー企業への道
  • 大学編入:高専から旧帝大・国立大への編入(高専生には共通の制度)
  • 起業・スタートアップ:学校の理念「物力で事を起こす」を体現する卒業後の道

卒業後の実績がないことは正直にお伝えします。

しかし「卒業実績がない=リスク」と考えるのか、「新しい学校の最初の卒業生になる=チャンス」と考えるのか。お子さんとご家族の考え方次第です。

スポンサー企業の顔ぶれや学校の理念を見れば、この学校が本気であることは伝わるはずです。

【2026年最新】1期生が4年生に進級 ― ROOMS・BASE・実践型授業の全貌

神山まるごと高専は2023年4月に開校し、2026年4月で1期生がついに4年生になりました。

それに合わせて、新しい学生寮「ROOMS」の完成、コワーキングスペース「BASE」の誕生、そして授業内容も座学中心から社会と直接つながる実践型へと大きく変化しています。

この章では、2026年4月17日に配信された公式番組「神山なう Vol.03」の最新情報をもとに、進化し続ける神山まるごと高専のいまを、元高専職員の視点で詳しく解説します。

※本章の出典:「神山なう Vol.03」(2026年4月17日配信)・神山まるごと高専公式サイト・日亜化学工業プレスリリース

出典:神山まるごと高専 公式ホームページ

新寮ROOMS(ルームズ)― 日亜化学工業10億円寄付で生まれた「4・5年生の城」

2024年3月末、神山まるごと高専の敷地内に4・5年生向けの新しい学生寮「ROOMS(ルームズ)」が完成しました。

建設費は、徳島県の世界的LEDメーカー日亜化学工業からの10億円の寄付によってまかなわれています。

徳島の伝統文化である阿波踊りの「桟敷(さじき)」をイメージしたガラス張りの外観が大きな特徴です。

夜にはセンサーライトが浮かび上がり、神山の夜景に新しい景観を生み出しています。

1〜3年生が過ごすHOME(学生寮)とは異なり、大人へと成長する学生のプライバシーを重視して、全室個室・バス・トイレ完備の仕様になっています。

ROOMSは丘の上に建てられており、1〜3年生のHOMEからは徒歩2〜3分ですが、坂道を通る立地です。

やまもと
やまもと

企業から単独の学生寮に10億円が寄付されるのは、全国57ある高専のなかでも極めて異例です。日亜化学工業との関係の深さが、ここまで具体的な形で現れているのは神山ならではの強みです。

工作施設の進化 ― 開校当初は「木材加工しかできなかった」状態から CNC・3Dプリンター時代へ

神山まるごと高専を志望する保護者の方からよく聞かれるのが、「本格的なモノづくりができる工作機械や設備はあるの?」という質問です。

2023年の開校当初は、正直なところ旋盤もなく、ボール盤やノコギリ程度の「木材加工しかできない」状態からのスタートでした。

しかし、その後数年でCNC加工機・フライス盤・3Dプリンターなどが順次導入され、現在ではかなり高度な工作・加工が可能になっています。

校内にない大型の設備が必要な部品(板金加工など)については、企業にデータを送って外部発注する形で柔軟に対応しているとのことです。

やまもと
やまもと

新設校ゆえに「設備が整っていないのでは?」という懸念は、保護者の方の多くが最初に抱く不安だと思います。

私自身も、2026年5月に神山の学生さんから直接お話を伺うまでは、「国立高専の実習工場にあるような設備はまだ無いのでは」と思っていました。

実際には毎年確実に整備が進んでおり、3Dプリンターやフライス盤を当たり前に使ってモノづくりをしているとのこと。これは公式サイトには大きく書かれていない、現場ならではの情報です。

コワーキングスペースBASE(ベイス)― 起業の「ホットスポット」

ROOMSの敷地内には、コワーキングスペース「BASE(ベイス)」が併設されています。

ここは学生と外部企業が自由に集まり、プロジェクトや事業を生み出すための拠点です。

内部の机・椅子・ホワイトボードなどの家具は、学生自身が半年間のプロジェクトを通じて設計・制作しました。

校章の「丸」をイメージした可動式ホワイトボードや、壁一面がホワイトボードになっている空間も用意されています。

カラー設計にもこだわっており、刺激を与えるオレンジと落ち着きを与えるが効果的に配置されています。

すでに4年生たちが夜な夜な集まり、プロジェクトの打ち合わせやイベント準備で賑わう「起業のホットスポット」として機能し始めています。

1期生4年生の学び激変 ― 座学から「社会との接続」へ

4年生になった1期生の授業は、これまでの座学中心から、プロジェクト・インターンシップ・ゼミといった実践型の学びへと大きくシフトしています。

午後の時間に余裕ができ、大学生のようなスケジュールで自分のプロジェクトを自由に進められるようになりました。

インターンシップが単位化(正規授業)

8月に10日以上のインターンシップが正規授業(単位)として認められるようになりました。

学校が用意した約30社・30役割のリストから選ぶだけでなく、学びたいテーマがあれば学生自身が企業と直接交渉してインターン先を開拓することも可能です。

すでに6社目のインターンを経験している学生もおり、実社会での経験を積むことに貪欲な姿勢がうかがえます。

ゼミ制度のスタート

専門科目の教員のもと、5〜6人の少人数で学ぶ「ゼミ」が4年生から始まりました。

4年生前半は「研究とは何か」を学び、後半はテーマを深めたり広げたりする構成です。半年ごとにゼミを変えることも、継続することも可能です。

ゼミ名内容
センサー認知科学・行動心理学と連携した研究
インタラクションUI/UX・アプリ機能など新しい体験設計
デジタルファブリケーション木材加工・建築などデジタル×ものづくり
起業実践起業家精神を重視する神山ならではのゼミ
出典:神山なう Vol.03(2026年4月17日配信)

体育も神山ならでは ― ボルダリング授業

体育の授業では、神山町に新しくオープンした古民家改修のボルダリング施設を活用しています。

地域の資源を授業に組み込む、神山まるごと高専らしいユニークな教育スタイルです。

やまもと
やまもと

インターンシップの単位化は他の高専でも進んでいますが、「学生が自ら企業と交渉してインターン先を開拓できる」という制度設計は神山ならでは。15歳から「自分で道をつくる」経験ができるのは、進学・就職だけでない第三の選択肢にもつながります。

神山町ごと変化する「学びのエコシステム」

神山まるごと高専の誕生以降、神山町そのものが学生とスタッフの活動によってアップデートされ続けています。

学校と町の境界が溶け合っているのは、全国の高専のなかで神山だけの特徴です。

古民家改修のボルダリング施設

神山町役場の裏手に、2024年5月オープン予定の古民家を改修したボルダリング施設が誕生しました。

外観は普通の民家のようですが、中は本格的で難しいコースも備えています。

毎週火曜夜には「筋肉の集い」という活動が行われており、町内の筋トレ好きが20人ほど集まる新しい交流の場になっています。

学生・スタッフが運営するカフェ

町内のカフェの営業枠をレンタルして、学校のスタッフや学生が実際に事業運営を行っています。

沖縄そば(やえそば)、絶品のジーマミ豆腐、学生が作るチーズケーキなどが並び、チーズケーキはSNSの告知後わずか数分で予約が埋まるほどの人気ぶりです。

若者の居場所「バンビ」

毎週金曜日に開かれている若者のための居場所「バンビ」は、学校スタッフ自らが起業し施設を購入して運営しています。

学生の熱量に触発されて、スタッフ側も町で新しい事業を起こす動きが広がっています。

やまもと
やまもと

学校が「町に入り込む」のではなく、町の側も学校に触発されて新しいことを始めているという逆方向の動きが起きているのが神山の特殊さ。お子さんが多様な大人と関わりながら育つ環境は、全国でもここだけです。

学生のリアルな声 ― 自由の喜びと、向き合うべき大変さ

最後に、番組で語られていた1期生・4期生の本音を紹介します。

保護者の方が進学を判断するうえで、一番参考になるのはこの「リアルな声」だと考えています。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

ROOMSが個室になって、門限もなくなって、やっと「大人になった」って感じがする。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

4年になってから、授業が「社会に繋がっていく感じ」がある。インターンも自分で交渉して、もう6社目です。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

ROOMSの坂道は、正直きつい…。朝の通学は結構な運動になります。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

地元の同級生が大学受験で忙しくて、僕らとは時間のズレがある。寂しさを埋めるために、インターンに打ち込んでる感じです。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

入学式前日の「所志表明」は、40人で深夜まで議論して、一度決まったものを壊して、また組み立て直して…産みの苦しみでした。

やまもと
やまもと

自由の喜びと、自分を律する大変さ。
この両方を15歳から経験できるのが神山まるごと高専の本当の価値です。
保護者の方には「手厚さ」より「自律できる環境」を選ぶ覚悟が必要ですが、お子さんが自分で道を切り拓く力は確実に育ちます。

在校生のリアル ― 全国から集まる多様な背景・3年生で法人設立済の学生も

2026年5月に、ある高専のコンテストにて神山まるごと高専のチームと話す中で、在校生の多様な背景起業マインドの実態が見えてきました。

全国から集まる学生たち

  • 東京出身の学生:都市部から徳島の山あいへ進学
  • 愛媛が地元の学生:もともと地元の新居浜高専を志望していたが、「親が神山を見つけてくれた」ことがきっかけで神山を選択

このように、保護者が子どもの可能性を広げる選択肢として神山を見つけ、子どもと一緒に検討して決めたというケースも実際にあります。

3年生で法人設立済の学生が実在

特に印象的だったのが、3年生の時点ですでに自ら法人を設立して起業している学生の存在です。起業コンテストにチームとして取り組むアイデアとは別に、自分の事業を並行して走らせています。

「起業家を育てる高専」というコンセプトが建前で終わっていないことが、こうした実例からも伝わってきます。

やまもと
やまもと

大事なのは、全員が起業家タイプではないということです。

神山の在校生にも「起業したいタイプ」「技術を極めたいタイプ」「デザインをしたいタイプ」など役割の多様性があり、それぞれの得意分野を活かしてチームを組んでいる様子でした。

「うちの子は起業向きじゃないかも」と心配する必要はなく、「自分の得意な領域で社会と関わる」という姿勢があれば神山に合う可能性は十分にあります。

複数のコンテスト・プログラムに同時並行で挑戦

神山まるごと高専の学生は、特定の高専生向けコンテストだけでなく、「未踏ジュニア」「チャレンジャータウン」など、複数のプログラムやコンテストに同時並行でエントリーしているケースが多く見られました。

これは「面白そうなことには全部挑戦してみる」という神山生の気質を象徴する事実で、校内の起業家マインドが日常的なディスカッション・チャレンジ文化として定着していることの裏付けにもなります。

校内には起業経験・企業経験を持つスタッフ(校内アクセラレーター)が在籍しており、学生のプロジェクトを直接サポートする体制も整っています。

学生寮のリアル:費用・生活・サポート

神山まるごと高専は全寮制のため、全員が寮で生活します。

項目内容
寮の種類全寮制(入学と同時に全員入寮)
年間費用120万円(税込)
月換算約10万円
含まれるもの食事・光熱費・インターネット(詳細は公式サイト参照)
所在地徳島県名西郡神山町(自然豊かな山間の町)
出典:神山まるごと高専公式サイト ※物価等を踏まえ改定の可能性あり

人口5,000人の山あいの町での全寮制生活。都市部の便利さはありませんが、その分「ここにいる人たちは全員、本気でものづくりがしたくて来ている」という環境が生まれます。全国各地から集まった仲間との寮生活は、その後の人生の財産になるはずです。

保護者が安心できるサポート体制

学習支援

デザインエンジニアリング学科の特性上、プロジェクト型・実践型の学習が中心です。

企業のエンジニアや外部講師との連携による実践的な指導体制があります。

メンタルヘルス・健康支援

全寮制のため、学校スタッフが学生の日常生活を近くでサポートします。

相談しやすい環境づくりに取り組んでいます。

経済的支援(学費・奨学金)

現在、スポンサー企業による学費無償化が継続中です。

追加の奨学金・支援制度については、公式サイトで最新情報をご確認ください。

※私立高専のため、国立高専の「就学支援金」制度とは適用条件が異なります。公式サイトでご確認ください。

よくある質問(Q&A)

神山まるごと高専は国立51高専と何が違うんですか?

やまもと
やまもと

大きな違いは3つです。

①私立(企業スポンサー型)、②全寮制必須、③学科が「デザインエンジニアリング学科」の1つだけ。

国立高専は地域密着型で多様な学科がありますが、神山まるごと高専は「起業家・社会変革者を育てる」という明確なコンセプトに特化しています。

徳島から遠い地域に住んでいますが、入学できますか?

やまもと
やまもと

はい、全国どこからでも受験・入学できます。

2026年度入試では徳島県内の学生は約1割にとどまり、残り9割は全国各地から入学しています(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 五十棲浩二校長コメントより)。

全寮制なので、遠方でも生活面の心配は少ないです。

卒業実績がないのが不安です。本当に就職・進学できますか?

やまもと
やまもと

正直に言います。

2026年時点では卒業生がいないため、就職・編入の実績データはありません。

これはリスクとして正直に認識すべきです。

一方で、設立に携わった企業群が、この学校での人材育成のために多額の寄附を行っていて、バックアップ体制は既存の高専以上に、非常に手厚いとも言えます。

最初の卒業生になることを「チャンス」と捉えられるかどうかが、この学校向きかどうかの判断基準のひとつです。

どの入試方式を選べばいいですか?

やまもと
やまもと

まずは、この学校の考え方や5年間の寮生活にお子さんが合っているのかを考えてください。

一人暮らしをさせたい、地元の高校には行かせたくないといった理由だけであれば、どの入試方法を選んでも、合格はできません。

その前提で、基本的にはA方式、モノづくりの活動を続けていればB方式、A/Bで最終合格に至らなかった or この学校を知った時期が遅ければC方式がおすすめです。

最新の入試方式は必ず公式サイトを確認してください。

お子さんの強みによって選び方が変わります。

神山まるごと高専のオープンキャンパスはありますか?

やまもと
やまもと

はい、定期的にオープンキャンパスや学校見学イベントが開催されています。

実際の学校環境・寮・授業の雰囲気を体感できる貴重な機会です。

日程は公式サイト(kamiyama.ac.jp)でご確認ください。

まとめ:わが子の「理系の好き」と「起業したい」を最強の武器に変える15歳の選択

神山まるごと高専は、日本の高専教育の中でも異色の存在です。

国立51高専とは全く異なる「私立・全寮制・企業スポンサー型」という新しいモデルで、「物力で事を起こす」起業家・エンジニアを育てます。

この記事のポイントをまとめます:

  • 偏差値63(目安)・2026年度実質倍率5倍の難関校
  • 学費年間200万円はスポンサー企業により実質無償(継続中)
  • 寮費年間120万円(税込)・全寮制必須
  • 入試はA(学力)・B(資質)・C(数検)の3方式
  • 2028年度に最初の卒業生が誕生予定(現時点で就職実績なし)
  • 全国9割の学生が徳島県外から集まる多様な環境

「技術で社会を変えたい」「起業したい」「世界を舞台に活躍したい」という強い意志を持つお子さんにとって、神山まるごと高専は日本でも唯一無二の選択肢です。

まずは公式サイトとオープンキャンパスで、この学校の空気を体感してみてください。

※本記事の情報は2026年4月時点のものです。入試要項・学費・寮費などの詳細は、必ず神山まるごと高専公式サイト(kamiyama.ac.jp)でご確認ください。

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