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神山まるごと高専(偏差値63)の全貌|学費実質無料・全寮制・起業家高専の入試対策から寮生活まで元高専職員が解説【2027年最新版】

高専

うちの子、ほかの子と同じように、普通の高校から大学受験を目指すのが正解なのかな?

就職進学だけでなく、起業もできるような技術やマインドを身につけて、将来どこへ行っても必要とされる力をつけてほしい。

徳島県、そして全国でそんな思いを抱える保護者の方が注目するのが、神山まるごと高専です。

偏差値は63(目安)。

しかし神山まるごと高専の魅力は、偏差値の数字だけでは語れません。

2023年に設立された日本で最も新しい高専のひとつで、学費は実質無料、全寮制、そして「起業家を育てる高専」として全国から注目を集めています。

2026年度入試の志願倍率は11.1倍(実質倍率5倍)。

全国から491名が志願した、競争率の高い高専です。

国立51高専とは異なる「私立・全寮制・スポンサー企業型」という全く新しいモデルで、保護者の方が最初に感じる「これって普通の高専と何が違うの?」という疑問に、この記事でしっかりお答えします。

この記事では、元高専職員・半導体業界経験者の視点から、2027年度入試を目指すご家庭が必要な情報をすべて解説します。

この記事でわかること

  • 神山まるごと高専の偏差値・倍率(2027年度最新)
  • デザインエンジニアリング学科の特徴と将来の道
  • A・B・C方式の入試の合否を分けるポイント
  • 学費実質無料の仕組みとスポンサー企業制度
  • 全寮制の生活・費用・サポート体制
  • 合格に向けた塾・オンライン学習サービスの選び方
やまもとけんと

大学・高専教育 × 就職支援。
大学や高専で15年間教育運営に携わり、その後は半導体業界で3年以上の実務経験を積んできました。教育と産業の両方を知る立場から、中高生や保護者のみなさんに「進学と就職を通じて明るい未来をつくる」ために役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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    1. この記事でわかること
  1. 神山まるごと高専とは?基本情報まとめ
  2. 偏差値・倍率:全国から受験者が集まる人気高専
    1. 偏差値(2027年度入学対象)
    2. 入試倍率(2026年度)
  3. 学科紹介:デザインエンジニアリング学科で学べること
  4. 神山まるごと高専ならではの強み・特色
    1. 学費実質無料の仕組み
    2. 全寮制・ハウス制度
    3. 企業スポンサーとの深い連携
    4. 起業家育成・FRCロボット競技
  5. 入試制度の詳細:A・B・C方式の合否を分けるポイント
    1. A方式(学力検査型)
    2. B方式(資質評価型)
    3. C方式(数検活用型)
  6. 【要注意】神山まるごと高専の入試ルールを味方につける
    1. 方式別の難易度と戦略
    2. A方式の得点戦略
    3. B方式の準備ポイント
  7. 【保存版】合格可能性シミュレーション(A方式)
  8. 合格に向けて:今すぐ始める2つの準備
  9. 卒業後の進路:就職・大学編入・起業
  10. 【2026年最新】1期生が4年生に進級 ― ROOMS・BASE・実践型授業の全貌
    1. 新寮ROOMS(ルームズ)― 日亜化学工業10億円寄付で生まれた「4・5年生の城」
    2. コワーキングスペースBASE(ベイス)― 起業の「ホットスポット」
    3. 1期生4年生の学び激変 ― 座学から「社会との接続」へ
      1. インターンシップが単位化(正規授業)
      2. ゼミ制度のスタート
      3. 体育も神山ならでは ― ボルダリング授業
    4. 神山町ごと変化する「学びのエコシステム」
      1. 古民家改修のボルダリング施設
      2. 学生・スタッフが運営するカフェ
      3. 若者の居場所「バンビ」
    5. 学生のリアルな声 ― 自由の喜びと、向き合うべき大変さ
  11. 学生寮のリアル:費用・生活・サポート
  12. 保護者が安心できるサポート体制
    1. 学習支援
    2. メンタルヘルス・健康支援
    3. 経済的支援(学費・奨学金)
  13. よくある質問(Q&A)
    1. 神山まるごと高専は国立51高専と何が違うんですか?
    2. 徳島から遠い地域に住んでいますが、入学できますか?
    3. 卒業実績がないのが不安です。本当に就職・進学できますか?
    4. どの入試方式を選べばいいですか?
    5. 神山まるごと高専のオープンキャンパスはありますか?
  14. まとめ:わが子の「理系の好き」と「起業したい」を最強の武器に変える15歳の選択

神山まるごと高専とは?基本情報まとめ

まず「高専とは何か」を簡単に説明します。

高専(高等専門学校)とは、中学卒業後の15歳から入学できる5年制の専門教育機関です。

普通の高校3年間+大学2年間と同じ年数で、より実践的な技術を身につけられるのが特徴です。

神山まるごと高専は、その中でも2023年に新設された私立高専

国が運営する国立51高専とは異なる「企業スポンサー型」の完全新しい仕組みで運営されています。

項目内容
正式名称神山まるごと高専(学校法人神山まるごと高専)
所在地徳島県名西郡神山町(人口約5,000人の山間の町)
設立年2023年(19年ぶりの新設高専)
設置形態私立(国立51高専とは別)
学科デザインエンジニアリング学科(1学科・1コース)
定員45名/年
修業年限5年制
全寮制(必須)
学費年間200万円(実質無償継続)
偏差値63(目安)
出典:神山まるごと高専公式サイト(2026年度情報)

偏差値・倍率:全国から受験者が集まる人気高専

偏差値(2027年度入学対象)

※偏差値はあくまでも目安です。神山まるごと高専の入試はA・B・C方式で構成されており、一般的な偏差値指標と単純に比較できません。

偏差値備考
63私立高専・全国対象の試験
出典:みんなの学校情報(目安)

偏差値63は、地域のトップ公立高校と同水準です。ただし、神山まるごと高専の入試は「学力だけで決まらない」方式も用意されています。自分の強みに合った方式を選ぶことが、合格への近道です。

入試倍率(2026年度)

区分数値
志願者数491名
受験者数219名
合格者数44名
志願倍率11.1倍
実質倍率5.0倍
出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果(https://kamiyama.ac.jp/admission/2026/result/

志願倍率11.1倍は非常に高い水準です。

「徳島の山の中にある高専」でありながら、全国から受験者が集まる理由は、後述する「学費実質無料」「全寮制」「起業家育成」という独自の魅力にあります。

(出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果)

学科紹介:デザインエンジニアリング学科で学べること

神山まるごと高専には学科が1つだけあります。

それが「デザインエンジニアリング学科」です。

「デザイン」と「エンジニアリング」を組み合わせた名前の通り、技術力だけでなく、「何を作るべきか」を考える力(デザイン思考)と、「実際に作り切る力(エンジニアリング)」を同時に育てることを目標としています。

主な学習内容:

  • ソフトウェアエンジニアリング(プログラミング・AI・データサイエンス)
  • ハードウェア・エレクトロニクス
  • デザイン思考・プロトタイピング
  • ビジネス・起業・社会実装
  • 英語・グローバルコミュニケーション

「私たちが心から欲しいと思った高専を作るということで、20年ぶりに新設した高専です。物を作る力を最後の実装まで持っていく――『物力で事を起こす』を掲げています。」

出典:神山まるごと高専 五十棲浩二校長コメント(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 /2026年3月1日・名古屋)

「物力で事を起こす」――このキーワードが神山まるごと高専の哲学を一言で表しています。技術を学ぶだけでなく、社会に実装するところまで責任を持つ。この姿勢が、起業家や社会変革者を育てる原動力になっています。

神山まるごと高専ならではの強み・特色

学費実質無料の仕組み

神山まるごと高専の年間学費は200万円です。

一見高く見えますが、スポンサー企業からの奨学金により、現在は実質無償で通学できます。

この仕組みは、日本のIT・テクノロジー企業がスポンサーとして学校を支援し、学生の学費を肩代わりする形です。

※スポンサー企業による学費支援は継続中ですが、将来の変更可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

費用項目金額備考
年間学費200万円スポンサー奨学金で実質無償
年間寮費120万円(税込)食費・光熱費含む ※改定の可能性あり
月換算寮費約10万円目安
出典:神山まるごと高専公式サイト(寮費改定情報) ※物価等を踏まえ改定の可能性あり

学費が無料なのはわかったけど、寮費の月10万円は家計にとって大きいですよね……?

おっしゃる通りです。寮費月10万円は、国立高専の寮(月2〜3万円程度)と比べると高めです。ただし、食費・光熱費・インターネット代が含まれているケースが多く、都市部で生活するより割安になることもあります。また、追加の奨学金制度がないか公式サイトで確認することをおすすめします。

全寮制・ハウス制度

神山まるごと高専は全員が寮で生活します(全寮制)。

特徴的なのが「ハウス制度」。

スポンサー企業ごとに「ハウス」(グループ)が設けられており、学生が同じハウスで活動します。

徳島県・山間の人口5,000人の町での全寮制生活は、都市部の生活とは全く異なります。

しかし、学生の出身地は徳島が約1割、全国各地から約9割(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 五十棲浩二校長コメント)という多様性が生まれています。

(※神山まるごと高専 五十棲浩二校長コメント(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 /2026年3月1日・名古屋)に基づきます

企業スポンサーとの深い連携

神山まるごと高専には、日本の主要IT・テクノロジー企業が多数スポンサーとして参加しています。

サテライトオフィスを町内に設置するスポンサー企業もあり、在学中から企業のエンジニアと交流する機会があります。

起業家育成・FRCロボット競技

神山まるごと高専は起業家育成に力を入れています。

代表的な取り組みが「FRC(FIRST Robotics Competition)」への参加です。

FRCは米国発の国際ロボット競技で、企業スポンサーと協力しながらロボットを設計・製作・競争させる大会です。

企業・スポンサーとの実践的な協働を通じて、「社会に実装する力」を在学中から身につけます。

入試制度の詳細:A・B・C方式の合否を分けるポイント

神山まるごと高専の入試はA・B・C方式の3種類があります。

国立高専の「推薦」「学力検査」という2択とは全く異なります。

A方式(学力検査型)

数学と国語の学力試験で評価する方式です。

科目配点2026年度合格者平均点
数学40点29.0点
国語30点19.4点
出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果

B方式(資質評価型)

学力だけでなく「資質・意欲・個性」を総合的に評価する方式です。

科目配点2026年度合格者平均点
数学30点21.5点
国語20点12.5点
出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果

B方式は面接・書類審査の比重が高く、「なぜ神山まるごと高専を選んだのか」「入学後に何を実現したいか」を問われます。

C方式(数検活用型)

数学検定(数検)の資格保有者を優遇する方式です。

科目配点2026年度合格者平均点
数学40点26.1点
国語30点21.2点
出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果

2026年度C方式合格者のうち、数検優遇制度を利用したのは22.7%でした。

(出典:神山まるごと高専公式サイト 2026年度入試結果)

うちの子、数検2級を持っているんですが、C方式で有利になりますか?

数検を保有していることはC方式で有利に働きます。ただし、2026年度の合格者でも数検優遇利用は22.7%にとどまっています。数検だけに頼るのではなく、国語・数学の得点力もしっかり高めることが重要です。

【要注意】神山まるごと高専の入試ルールを味方につける

方式別の難易度と戦略

方式主な評価軸向いている受験生
A方式数学・国語の学力学科試験が得意・数学が特に強い
B方式資質・意欲・個性面接・自己表現が得意・学力以外の強みがある
C方式数学・国語+数検資格数検を保有・または取得予定

A方式の得点戦略

A方式の2026年度合格者平均点は、数学29.0/40点(72.5%)、国語19.4/30点(64.7%)でした。

合格ラインの目安として:

  • 数学:30点以上(75%以上)を目指す
  • 国語:20点以上(67%以上)を目指す
  • 合計:50点以上/70点が一つの目安

※あくまでも目安です。合格最低点は公表されていません。

B方式の準備ポイント

B方式は「なぜ神山まるごと高専なのか」「入学後に何を作りたいか」を明確に言語化することが重要です。

  • 学校の理念「物力で事を起こす」を深く理解する
  • 自分が実現したいプロジェクト・アイデアを具体的に準備する
  • 過去に作ったもの・挑戦したことをポートフォリオとして整理する

【保存版】合格可能性シミュレーション(A方式)

数学(/40点)国語(/30点)合計合格可能性の目安
32点以上22点以上54点以上合格圏内の可能性大
29〜31点19〜21点48〜52点合格者平均付近・要全力準備
25〜28点16〜18点41〜46点合格ラインにやや届かない可能性
24点以下15点以下39点以下早急な学力強化が必要
※2026年度入試結果をもとに作成した目安です。合格最低点は非公表のため、参考値としてお使いください。

合格に向けて:今すぐ始める2つの準備

神山まるごと高専の入試は数学が最重要科目です。

A・C方式ともに数学の配点が40点と高く、合否を大きく左右します。

高専入試に特化した対策を早めに始めることが、合格への最短ルートです。

卒業後の進路:就職・大学編入・起業

神山まるごと高専は2023年設立のため、2026年時点でまだ卒業生はいません。

最初の卒業生が生まれるのは2028年度の予定です。

そのため、就職実績・編入実績は現時点では公表されていません。

ただし、学校の方向性として以下が想定されます:

  • スポンサー企業への就職:設立に関わったIT・テクノロジー企業への道
  • 大学編入:高専から旧帝大・国立大への編入(高専生には共通の制度)
  • 起業・スタートアップ:学校の理念「物力で事を起こす」を体現する卒業後の道

卒業後の実績がないことは正直にお伝えします。しかし「卒業実績がない=リスク」と考えるのか、「新しい学校の最初の卒業生になる=チャンス」と考えるのか。お子さんとご家族の考え方次第です。スポンサー企業の顔ぶれや学校の理念を見れば、この学校が本気であることは伝わるはずです。

【2026年最新】1期生が4年生に進級 ― ROOMS・BASE・実践型授業の全貌

神山まるごと高専は2023年4月に開校し、2026年4月で1期生がついに4年生になりました。

それに合わせて、新しい学生寮「ROOMS」の完成、コワーキングスペース「BASE」の誕生、そして授業内容も座学中心から社会と直接つながる実践型へと大きく変化しています。

この章では、2026年4月17日に配信された公式番組「神山なう Vol.03」の最新情報をもとに、進化し続ける神山まるごと高専のいまを、元高専職員の視点で詳しく解説します。

※本章の出典:「神山なう Vol.03」(2026年4月17日配信)・神山まるごと高専公式サイト・日亜化学工業プレスリリース

出典:神山まるごと高専 公式ホームページ

新寮ROOMS(ルームズ)― 日亜化学工業10億円寄付で生まれた「4・5年生の城」

2024年3月末、神山まるごと高専の敷地内に4・5年生向けの新しい学生寮「ROOMS(ルームズ)」が完成しました。

建設費は、徳島県の世界的LEDメーカー日亜化学工業からの10億円の寄付によってまかなわれています。

徳島の伝統文化である阿波踊りの「桟敷(さじき)」をイメージしたガラス張りの外観が大きな特徴です。

夜にはセンサーライトが浮かび上がり、神山の夜景に新しい景観を生み出しています。

1〜3年生が過ごすHOME(学生寮)とは異なり、大人へと成長する学生のプライバシーを重視して、全室個室・バス・トイレ完備の仕様になっています。

ROOMSは丘の上に建てられており、1〜3年生のHOMEからは徒歩2〜3分ですが、坂道を通る立地です。

やまもと
やまもと

企業から単独の学生寮に10億円が寄付されるのは、全国57ある高専のなかでも極めて異例です。日亜化学工業との関係の深さが、ここまで具体的な形で現れているのは神山ならではの強みです。

コワーキングスペースBASE(ベイス)― 起業の「ホットスポット」

ROOMSの敷地内には、コワーキングスペース「BASE(ベイス)」が併設されています。

ここは学生と外部企業が自由に集まり、プロジェクトや事業を生み出すための拠点です。

内部の机・椅子・ホワイトボードなどの家具は、学生自身が半年間のプロジェクトを通じて設計・制作しました。

校章の「丸」をイメージした可動式ホワイトボードや、壁一面がホワイトボードになっている空間も用意されています。

カラー設計にもこだわっており、刺激を与えるオレンジと落ち着きを与えるが効果的に配置されています。

すでに4年生たちが夜な夜な集まり、プロジェクトの打ち合わせやイベント準備で賑わう「起業のホットスポット」として機能し始めています。

1期生4年生の学び激変 ― 座学から「社会との接続」へ

4年生になった1期生の授業は、これまでの座学中心から、プロジェクト・インターンシップ・ゼミといった実践型の学びへと大きくシフトしています。

午後の時間に余裕ができ、大学生のようなスケジュールで自分のプロジェクトを自由に進められるようになりました。

インターンシップが単位化(正規授業)

8月に10日以上のインターンシップが正規授業(単位)として認められるようになりました。

学校が用意した約30社・30役割のリストから選ぶだけでなく、学びたいテーマがあれば学生自身が企業と直接交渉してインターン先を開拓することも可能です。

すでに6社目のインターンを経験している学生もおり、実社会での経験を積むことに貪欲な姿勢がうかがえます。

ゼミ制度のスタート

専門科目の教員のもと、5〜6人の少人数で学ぶ「ゼミ」が4年生から始まりました。

4年生前半は「研究とは何か」を学び、後半はテーマを深めたり広げたりする構成です。半年ごとにゼミを変えることも、継続することも可能です。

ゼミ名内容
センサー認知科学・行動心理学と連携した研究
インタラクションUI/UX・アプリ機能など新しい体験設計
デジタルファブリケーション木材加工・建築などデジタル×ものづくり
起業実践起業家精神を重視する神山ならではのゼミ
出典:神山なう Vol.03(2026年4月17日配信)

体育も神山ならでは ― ボルダリング授業

体育の授業では、神山町に新しくオープンした古民家改修のボルダリング施設を活用しています。

地域の資源を授業に組み込む、神山まるごと高専らしいユニークな教育スタイルです。

やまもと
やまもと

インターンシップの単位化は他の高専でも進んでいますが、「学生が自ら企業と交渉してインターン先を開拓できる」という制度設計は神山ならでは。15歳から「自分で道をつくる」経験ができるのは、進学・就職だけでない第三の選択肢にもつながります。

神山町ごと変化する「学びのエコシステム」

神山まるごと高専の誕生以降、神山町そのものが学生とスタッフの活動によってアップデートされ続けています。

学校と町の境界が溶け合っているのは、全国の高専のなかで神山だけの特徴です。

古民家改修のボルダリング施設

神山町役場の裏手に、2024年5月オープン予定の古民家を改修したボルダリング施設が誕生しました。

外観は普通の民家のようですが、中は本格的で難しいコースも備えています。

毎週火曜夜には「筋肉の集い」という活動が行われており、町内の筋トレ好きが20人ほど集まる新しい交流の場になっています。

学生・スタッフが運営するカフェ

町内のカフェの営業枠をレンタルして、学校のスタッフや学生が実際に事業運営を行っています。

沖縄そば(やえそば)、絶品のジーマミ豆腐、学生が作るチーズケーキなどが並び、チーズケーキはSNSの告知後わずか数分で予約が埋まるほどの人気ぶりです。

若者の居場所「バンビ」

毎週金曜日に開かれている若者のための居場所「バンビ」は、学校スタッフ自らが起業し施設を購入して運営しています。

学生の熱量に触発されて、スタッフ側も町で新しい事業を起こす動きが広がっています。

やまもと
やまもと

学校が「町に入り込む」のではなく、町の側も学校に触発されて新しいことを始めているという逆方向の動きが起きているのが神山の特殊さ。お子さんが多様な大人と関わりながら育つ環境は、全国でもここだけです。

学生のリアルな声 ― 自由の喜びと、向き合うべき大変さ

最後に、番組で語られていた1期生・4期生の本音を紹介します。

保護者の方が進学を判断するうえで、一番参考になるのはこの「リアルな声」だと考えています。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

ROOMSが個室になって、門限もなくなって、やっと「大人になった」って感じがする。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

4年になってから、授業が「社会に繋がっていく感じ」がある。インターンも自分で交渉して、もう6社目です。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

ROOMSの坂道は、正直きつい…。朝の通学は結構な運動になります。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

地元の同級生が大学受験で忙しくて、僕らとは時間のズレがある。寂しさを埋めるために、インターンに打ち込んでる感じです。

1期生(4年生)
1期生(4年生)

入学式前日の「所志表明」は、40人で深夜まで議論して、一度決まったものを壊して、また組み立て直して…産みの苦しみでした。

やまもと
やまもと

自由の喜びと、自分を律する大変さ。
この両方を15歳から経験できるのが神山まるごと高専の本当の価値です。
保護者の方には「手厚さ」より「自律できる環境」を選ぶ覚悟が必要ですが、お子さんが自分で道を切り拓く力は確実に育ちます。

学生寮のリアル:費用・生活・サポート

神山まるごと高専は全寮制のため、全員が寮で生活します。

項目内容
寮の種類全寮制(入学と同時に全員入寮)
年間費用120万円(税込)
月換算約10万円
含まれるもの食事・光熱費・インターネット(詳細は公式サイト参照)
所在地徳島県名西郡神山町(自然豊かな山間の町)
出典:神山まるごと高専公式サイト ※物価等を踏まえ改定の可能性あり

人口5,000人の山あいの町での全寮制生活。都市部の便利さはありませんが、その分「ここにいる人たちは全員、本気でものづくりがしたくて来ている」という環境が生まれます。全国各地から集まった仲間との寮生活は、その後の人生の財産になるはずです。

保護者が安心できるサポート体制

学習支援

デザインエンジニアリング学科の特性上、プロジェクト型・実践型の学習が中心です。

企業のエンジニアや外部講師との連携による実践的な指導体制があります。

メンタルヘルス・健康支援

全寮制のため、学校スタッフが学生の日常生活を近くでサポートします。

相談しやすい環境づくりに取り組んでいます。

経済的支援(学費・奨学金)

現在、スポンサー企業による学費無償化が継続中です。

追加の奨学金・支援制度については、公式サイトで最新情報をご確認ください。

※私立高専のため、国立高専の「就学支援金」制度とは適用条件が異なります。公式サイトでご確認ください。

よくある質問(Q&A)

神山まるごと高専は国立51高専と何が違うんですか?

やまもと
やまもと

大きな違いは3つです。

①私立(企業スポンサー型)、②全寮制必須、③学科が「デザインエンジニアリング学科」の1つだけ。

国立高専は地域密着型で多様な学科がありますが、神山まるごと高専は「起業家・社会変革者を育てる」という明確なコンセプトに特化しています。

徳島から遠い地域に住んでいますが、入学できますか?

やまもと
やまもと

はい、全国どこからでも受験・入学できます。

2026年度入試では徳島県内の学生は約1割にとどまり、残り9割は全国各地から入学しています(KOSEN-JIN SUMMIT 2026 五十棲浩二校長コメントより)。

全寮制なので、遠方でも生活面の心配は少ないです。

卒業実績がないのが不安です。本当に就職・進学できますか?

やまもと
やまもと

正直に言います。

2026年時点では卒業生がいないため、就職・編入の実績データはありません。

これはリスクとして正直に認識すべきです。

一方で、設立に携わった企業群が、この学校での人材育成のために多額の寄附を行っていて、バックアップ体制は既存の高専以上に、非常に手厚いとも言えます。

最初の卒業生になることを「チャンス」と捉えられるかどうかが、この学校向きかどうかの判断基準のひとつです。

どの入試方式を選べばいいですか?

やまもと
やまもと

お子さんの強みによって選び方が変わります。

数学が得意ならA方式、面接・自己表現が得意ならB方式、数検を保有しているまたはこれから取得予定ならC方式がおすすめです。

複数方式の併願ができるかどうかは公式サイトで確認してください。

神山まるごと高専のオープンキャンパスはありますか?

やまもと
やまもと

はい、定期的にオープンキャンパスや学校見学イベントが開催されています。

実際の学校環境・寮・授業の雰囲気を体感できる貴重な機会です。

日程は公式サイト(kamiyama.ac.jp)でご確認ください。

まとめ:わが子の「理系の好き」と「起業したい」を最強の武器に変える15歳の選択

神山まるごと高専は、日本の高専教育の中でも異色の存在です。

国立51高専とは全く異なる「私立・全寮制・企業スポンサー型」という新しいモデルで、「物力で事を起こす」起業家・エンジニアを育てます。

この記事のポイントをまとめます:

  • 偏差値63(目安)・2026年度実質倍率5倍の難関校
  • 学費年間200万円はスポンサー企業により実質無償(継続中)
  • 寮費年間120万円(税込)・全寮制必須
  • 入試はA(学力)・B(資質)・C(数検)の3方式
  • 2028年度に最初の卒業生が誕生予定(現時点で就職実績なし)
  • 全国9割の学生が徳島県外から集まる多様な環境

「技術で社会を変えたい」「起業したい」「世界を舞台に活躍したい」という強い意志を持つお子さんにとって、神山まるごと高専は日本でも唯一無二の選択肢です。

まずは公式サイトとオープンキャンパスで、この学校の空気を体感してみてください。

※本記事の情報は2026年4月時点のものです。入試要項・学費・寮費などの詳細は、必ず神山まるごと高専公式サイト(kamiyama.ac.jp)でご確認ください。

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