
子供の教育費、このままで足りるかな?

大学まで行かせて、本当に稼げる大人になれるの?
物価高が進む今、親であれば誰もが抱く悩みではないでしょうか。
とりあえず高校へ行き、とりあえず大学へ行く
この当たり前のレールが、実は家計にとって「100万円単位の損失」になっているとしたらどう思いますか?
私は昨年まで、国立高等専門学校(高専)の職員として10年以上働いていました。
その経験と、現在一人の親として家計管理をする視点から断言します。
お子さんが理数系やモノづくりが好きなら、「高専」は資産形成とキャリア形成の両方を満たす、最強の「裏ルート」になり得ます。

この記事では、元職員の視点から、あまり知られていない高専の「コスパ(費用対効果)」と「メリット・デメリット」を徹底解説します。
そもそも「高専(こうせん)」とは?
高専(高等専門学校)は、中学校卒業後に入学する5年一貫教育の高等教育機関です。
簡単に言えば、「高校3年間+大学学部4年間の計7年」で行う教育内容を、ギュッと凝縮して「5年間」で学びます。
私の主観ですが、イメージとしては「受験勉強だけの高3」と「教養科目ばかりの大学1年」をカットして、最短ルートでエンジニアを目指す場所、といった感じです。

- 学校数: 全国に58校(国立51、公立3、私立4)
- 希少性: 1学年約1万人(同年代のわずか約1%)
この「1%」という希少性が、実は社会に出た後に大きな武器になります。
では、具体的に「親目線(家計・キャリア)」でのメリットを見ていきましょう。
メリット①【貯める力】塾代・学費で「100万円以上」浮く現実
高専進学の最大の金銭的メリットは、「大学受験」が存在しないことです。
一般的な進学校に進むと、高校3年生(あるいは2年生)から大学受験のための予備校に通うのが一般的です。
その費用は、夏期講習なども含めると3年間で100万円近くかかるとも言われています。
一方、高専は5年一貫教育。
子供が受験戦争のストレスから解放されるだけでなく、親は「大学受験のための塾代」という巨額の出費から解放されます。

学費の比較シミュレーション
公立高校から国立大学へ進むルートと、国立高専へ進むルートの学費を細かく比較してみましょう。
鶴岡高専の公表データをもとに試算した金額で、高等学校等就学支援金制度も考慮して計算しています。
| 入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | ||
| 公立高校1年 | 5,650 | 0 | 国立高専1年 | 84,600 | 118,800 |
| 公立高校2年 | 0 | 0 | 国立高専2年 | 0 | 118,800 |
| 公立高校3年 | 0 | 0 | 国立高専3年 | 0 | 118,800 |
| 国立大学1年 | 282,000 | 535,800 | 国立高専4年 | 0 | 234,600 |
| 国立大学2年 | 0 | 535,800 | 国立高専5年 | 0 | 234,600 |
| 小計 | 287,650 | 1,071,600 | 小計 | 84,600 | 825,600 |
| 総合計 | 1,359,250 | 総合計 | 910,200 |
入学料・授業料だけでも、「公立高校→国立大学」ルートが、高専より40万円程度高いことがわかります。
これに、塾の費用を含めると、さらに差が広がります。

| 項目 | 公立高校 → 国立大学 | 国立高専(5年間) |
| 入学金 | 約28万円(大学・高校) | 約8万円 |
| 授業料総額 | 約107万円(高校3年+大学2年) | 約82万円(5年) |
| 塾・予備校代 | 約50万〜100万円 | 0円(不要) |
| 合計目安 | 約170万〜220万円 | 約90万円 |
合計目安で比較すると、高専は100万円以上安くなることがわかります。
私立理系大学へ進学したら、その差は200万円〜300万円にも広がります。
もし、この浮いた資金を浪費せず、新NISA口座でインデックス投資など長期運用に回せたらどうでしょう?
100万円を年7%想定で10年運用すれば、196万円になる可能性もあります(三菱UFJアセットマネジメントの一括投資シミュレーションで試算)。
また、旅行など家族の思い出づくりに、気持ちよく使うことも可能です。
高専という選択は、単なる進路選びではなく、家計防衛のための「賢い投資」とも言えるのです。
メリット②【稼ぐ力】「高専卒」の市場価値が急騰中

でも、高専卒って大卒より給料が低いんじゃないの?
そう思われる方もいるかもしれません。しかし、今は潮目が完全に変わっています。

1. 圧倒的な求人倍率
高専生への求人は、学生1人に対して20社〜30社以上来ることはザラです。

「就職できない」リスクは極めて低く、名だたる大企業から「ぜひ来てほしい」と選べる立場にあります。
特に、AI・ロボット活用人材が不足するこれからの時代、若くて技術のある高専卒は「金の卵」です。
2. 初任給の逆転現象
年功序列が崩れ、実力主義に移行する企業が増えています。

実際に、高専卒の初任給を大卒と同額、あるいはそれ以上に設定する企業も増えてきました。
最近の事例
- 大手証券会社(SMBC日興証券など)が、高専生の初任給を大卒同様の33.7万円に引き上げ
- 専門商社やIT企業でも、高専卒の待遇改善が相次ぐ
さらに、高専卒は20歳から働き始めます。
大卒よりも2年早く社会に出て給与を得られるため、生涯賃金や資産形成のスタートダッシュにおいて大きなアドバンテージがあります。
メリット③【選択肢】やっぱり大学に行きたくなったら?

15歳で将来を決めるのは怖い

やっぱり大学で研究したくなるかも
そんな不安があっても大丈夫です。高専には「大学3年次編入」というルートがあります。

高専卒業後、共通テスト(旧センター試験)を受けることなく、専門科目・英語(TOEIC等)・面接などで大学の3年生に編入できるのです。
このルートの進学先には、地元の国立大学はもちろん、東京大学・京都大学・東京科学大学(旧東工大)といった最難関大学も含まれます。
「大学受験の5教科7科目の勉強はしない。でも、好きな専門分野をとことん突き詰めて、国立大卒になる」
この「裏ルート」を知っているかどうかで、お子さんのキャリア戦略は大きく変わります。
【重要】最大の壁は「入試の特殊性」と「情報不足」
ここまで良いこと尽くめに見える高専ですが、進学するには「非常に高いハードル」が一つだけあります。
それは、「入試対策の難しさ」です。
1. 中学校・普通の塾では対策できない
高専の入試問題(特に国立高専)は全国共通ですが、公立高校の入試問題とは傾向が全く異なります。
マークシート方式の導入や、数学・理科の応用力を問う独特な問題(理数科目の点数を1.5倍〜2倍にする「傾斜配点」を採用する高専も多い)など、「高専専用の対策」をしていないと、偏差値が足りていても足元をすくわれることがあります。
しかし、中学校の先生や近所の学習塾は「公立高校合格」をゴールにしていることが多く、高専の入試対策ノウハウをほとんど持っていません。
2. 地理的な壁と偏差値の壁
高専は、地域差はありますが各都道府県に1校程度しかありません。
また、多くの高専は地域のトップ進学校に次ぐ偏差値を誇ります。
「高専に行きたいけれど、どう勉強すればいいか分からない」
「学校や塾の先生に相談しても、的確なアドバイスがもらえない」
これが、高専を目指す多くの親子が直面する現実です。
まとめ:高専合格には「専門の戦略」が必要
高専は、以下のようなお子さんにとっては最高の環境です。
理数系やモノづくりが好き
「みんなと同じ」レールに乗ることにこだわらない
早く自立して稼ぎたい、コスパよくキャリアを築きたい
しかし、その切符を手にするためには、特殊な入試を突破する「戦略」が不可欠です。
実は最近、「高専入試に特化したオンライン学習塾」が増えているのをご存知でしょうか?

近くに専門塾がなくても、自宅からプロの指導を受けることで、合格率をグッと高めることが可能です。
「塾代がかかるならコスパが悪いのでは?」と思うかもしれませんが、将来の予備校代100万円や、国公立大学編入のメリットを考えれば、ここでの投資は十分に回収できます。
以下の記事では、元職員の視点から「高専合格を目指すならココ!」というおすすめの塾を厳選して比較しました。
お子さんの未来の選択肢を広げるために、ぜひチェックしてみてください。



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